【人事職の中途採用】制度構築・マネジメント経験者、総務・法律知識まで備える人材にニーズ

日本人材ニュース

レックスアドバイザーズ
吉岡 美香 HRコンサルティング部 マネジャー

人事職の中途採用の求人数・求職者数はともに例年とあまり変わらず、横ばいで推移しています。ただし、求人・求職者ともに、その内訳には2020年ならではの特徴が見られます。

新型コロナウイルスの影響を受け、2020年7月ごろまでは人事職の求人は減少傾向にありましたが、徐々に採用を再開している企業が増えています。人事職は大きく「採用・教育」「労務」「制度構築」の3つに分けられますが、2020年に特に多かったのは「制度構築」の求人や、人事部長・人事マネジャーなどの管理職の求人です。

新型コロナウイルスの影響により、リモートワークの導入などの働き方改革が加速しているため、新しい人事制度の構築に迫られる企業が増えていることに起因しています。したがって、人事制度の設計や導入経験、マネジメント経験、総務や法律の知識を幅広く持っている人材が求められています。

一方、求職者に関しては、40代の求職者の増加が顕著です。求人ニーズとは異なり、求職者の経験職種は多い順に「採用・教育」「労務」「制度構築」です。

40代の求職者が増えた背景には新型コロナウイウスの影響による採用に係る業務の減少、待遇・条件面の変化、会社の将来性への不安が挙げられます。40代に次いで多いのは20代で、会社の将来性の不安から、早い段階で次のキャリアを考える傾向にあると言えます。

「制度構築」経験者を求める求人が多く、「制度構築」を経験している求職者が少ないため、必然的に制度構築経験者は貴重な人材であるということです。したがって、今まで以上にスピードを意識した選考スケジュールが必要です。経験のある若手は少ないため、40代以上の経験者を積極的に採用していくことをおすすめします。

また、人事職はもともと経営層との距離が近く、経営者のビジョンやビジネスの成長性を肌で感じられやすいポジションです。面接などの選考を通して、いかに会社の成長性を感じさせられるかが採用成功の鍵となりうるでしょう。

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