プライマリー・アシスト
石山 知良 代表取締役社長
【PROFILE】上場企業のメーカー・商社、医療人材会社の執行役員を経て、「健康経営」の普及促進を目指して会社を設立。近年、産業保健関連の学会で登壇するなど、健康経営、産業保健、予防医療の普及を目指して活動。
国が「健康経営」の普及促進を開始し、5年が経過しました。昨年9月、国は「予防医療」の普及促進について、さまざまなメディアを通じて発信し始めました。
国民医療費の急増が止まらない中、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、医療体制や社会保障費の今後など、未曽有の対応が迫られる時代となりました。コロナ禍における産業医療職は、その存在に見直しがはかられ始めています。
産業医は、感染症拡大など有事における緊急対策室の設置や最新の状況を把握し、人事総務と連携して対策を指示するなどが求められています。
また在宅勤務の拡大により、自宅が職場と化した状況における新たな健康被害などの対応を迫られてきています。通勤がなくなったことによる運動不足をはじめ、リモートによるコミュニケーション手法の変化、食生活の偏り、睡眠における質の悪化、メンタル不調など新しい生活様式に伴う対応が必要です。
社員の健康課題が多様化する中で、産業医需要は継続しており、特に産業医未配置の広域支店への新規配置などが増加してきています。一方、産業看護職(保健師・看護師)は、保健師資格を有する方の募集が90%以上を占めてきています。
産業医と同様に、コロナ禍における就業環境の変化が起きています。在宅勤務者向けの保健指導はオンライン活用が加速し、Webツールの活用が必須スキルとなりました。
未病・予防を本来の役割とする保健師にとって、活躍の場が広がる機会と見ています。また、感染症の拡大に伴い、行政(保健所)における保健師の緊急需要が発生しています。
ストレスチェック制度施行から5年が経過し、次の制度施行に向けて集団分析、職場改善の課題解決に取り組むために、産業医療職の活用は一つの鍵と言えます。産業医、産業看護職(保健師・看護師)ともに、採用需要の多様化によりエージェント活用は拡大傾向です。
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