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【新卒採用】オンライン化で、学生は社風や雰囲気を体感しづらく、不安を抱えやすい状況

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中野 智哉 代表取締役CEO

2020年、私達の生活に大きな影響を与えた新型コロナウイルスの感染拡大。就活もまた例外ではなく、市場では大きく分けて2点が変化を促すと推測されています。

1点目は「需給バランスの変化」です。リクルートワークス研究所の調査を見ると、コロナ直後の2021年卒では求人倍率は1.53倍、求人件数は683,000件でした。2022年卒の求人倍率は1.50倍で、仕事の数は676,400件と、仕事の件数の減少は1%ほどに留まっている様子が伺えます。

さらに、就職氷河期における求人倍率の底は1.23倍(2012年卒)であったことを考えると、市場で囁かれているような「就職氷河期の再来」とまでは言えないと考えています(※リクルートワークス研究所 大卒求人倍率調査(2022年卒)より)。

2点目は、就活スタイルのオンライン化です。2021年卒の就活では、合同説明会の中止が相次ぐなか、オンライン上での出会いの創造や説明会・初期の面接をおこなうスタイルが一般化。対面以外の選択肢が生まれました。

このメリットは、説明会や面接・面談のために費やしていた金銭的・時間的コストの削減です。加えて、これまで移動に関わる金銭的・時間的コストの関係で対象となる学生のエリアが限定されやすかった新卒採用でも、エリアを広げての採用が可能となりました。

一方で、これまでは距離の問題で競合しなかった企業と採用候補者を取り合う構図も生まれかねません。

そのような状況下で自社の採用を成功させるためには、「学生の入社意向の向上」がキーとなり、より深いコミュニケーション設計が求められると考えています。

従来のオフライン採用手法では、実際に企業のオフィスを訪れたり対面で会話を交わすといった選考フローを通して学生は自分とのカルチャーマッチを判断し、入社意向の向上に一役買っていました。しかし、オンライン採用では、コミュニケーションの特性上学生は企業の社風や雰囲気を体感しづらく、不安を抱えやすい状況にあります。

そのため、採用フローには面接だけではなく面談を組み込み、学生の不安を解消させたり、理解を深める時間を多く設計することが重要です。面談相手も人事・採用担当者のみならず、学生のキャリア志向にマッチした社員や配属予定部署の先輩社員などを対象にするなど工夫が必要となります。

従来のような画一的なフローで選考を進めるのではなく、学生個々のニーズに合わせたコミュニケーション設計が、これからの時代に求められると考えています。

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