常用雇用型派遣(無期雇用契約)は前年比4.0ポイント増となる32.5%となったことが、マイナビ(東京・千代田、中川信行社長)の実施した「2021年 派遣社員の意識・就労実態調査」で明らかとなった。
2021年の派遣契約形態別の派遣社員の割合は、常用雇用型派遣(無期雇用契約)は32.5%(前年比4.0ポイント増)、紹介予定派遣契約は11.4%(前年比8.9ポイント増)となった。
職種別でみると「機械・電気・IT技術・通信系」の常用雇用型派遣(無期雇用契約)が44.4%と最も多く、紹介予定派遣契約では、「販売」が20.7%で最も多かった。
【「職種別」派遣契約形態】
(割合は常用雇用型派遣(無期雇用契約)、紹介予定派遣契約の順)
オフィスワーク・事務 23.0%、10.3%
販売 28.1%、20.7%
サービス 26.9%、12.9%
テレオペ・テレマーケティング 33.5%、7.4%
機械・電気・IT技術・通信系 44.4%、8.0%
クリエイティブ系 37.8%、10.8%
医療・介護・福祉 35.2%、11.7%
製造 34.5%、12.3%
配送・輸送・物流 32.4%、12.2%
派遣社員としての勤務・働き方と、正社員との違いを比較したところ、「飲み会の誘いなど断りやすく、人間関係で悩まない」(正社員との差49.5ポイント)や「急な休みや、残業なしなど、勤務時間の融通が利く」(同35.3ポイント)、「未経験の業種・職種に就きやすい」(同34.6ポイント)などのメリットが浮かびあがった。
マイナビによると「派遣社員は雇用が安定しないなど、これまでデメリットが目立ってきたが、働き方の融通が利くことや人間関係のストレスが正社員と比べて緩和するなどのメリットも多くなってきた」とした。
また、「コロナ禍以降の中途採用における経験者募集の増加、パート・アルバイトの求人数の減少などで未経験の仕事に就きやすいことも、派遣社員という雇用形態の魅力ともいえる」とのことだ。
派遣社員として働く中で、派遣先や派遣元から正社員化の誘いを受けたことがあるのは28.9%となった。職種別では「医療・介護・福祉」で46.9%が最も高く、次いで「サービス」34.4%、「販売」31.4%となった。
一方、断った割合は全体で76.5%となった。職種別でみると、「サービス」87.5%が最も高く、次いで「販売」84.1%、「医療・介護・福祉」81.7%となった。
調査は、2021年7月1日~5日、現在派遣社員として対象職種のいずれかで働く、20~59歳の男女を対象にインターネットで実施し、1376人の有効回答を得た。(男性489人、女性887人)
対象職種は、オフィスワーク・事務/販売/サービス/テレオペ・テレマーケティング/機械・電気・IT技術・通信系/クリエイティブ系/医療・介護・福祉関連業務/製造/配送・輸送・物流