オトラビスタ
落坂 秀樹 取締役 COO
2020年3~6月頃、IT業界各社の採用活動も一時的に鈍化して求人数が減少したものの、現状は完全にコロナ禍以前の求人数まで回復、企業によっては求人数増加傾向にあります。
特に、SaaSサービス、ECといったコロナ禍で需要増の企業、またIPOに向け人材採用必須の企業では採用活動は非常に活発に行われ、エンジニア系職種はもちろん、セールス・マーケティングなどのフロント系職種、またIPO前の体制構築が必要な管理部門職種においてもニーズは高まっています。
ただし、以前のように若手層の採用ではなく、若手メンバーを育成するマネジメント層、また管理部門においても上場会社経験者など即戦力となる中堅以降のハイレイヤー人材を厳選して採用する企業が増加しています。
一方IT業界への転職を希望する求職者も増えています。業界経験者や特にエンジニアについては、自身の市場価値の高さを把握した上で、事業内容・MVVへの共感、用意されるポジション、諸条件、労働環境などあらゆる角度から各企業を比較し、高い要求水準を持って転職活動を行っています。
異業界からの転職を希望する方も、今回のコロナでのドラスティックな市場の変化から当然増加していますが、その中でも異業界転職を成功させているのは、特にSaaS各社からニーズのある大手企業を顧客先とした業務経験のある方、従業員数が拡大するフェーズでのマネジメント力に長けている方、比較的業界経験があることを問われない管理部門系職種の方などです。
依然として売り手市場が続くIT業界において、本当に必要とする人材を確保するためには「採用広報力を高めること」ことが必須です。特に各社引き合いのある求職者の要求水準は高く、求人票だけでは判断できない、企業・経営層のビジョンや社員のカルチャーなどより深い情報を求めています。機会損失を防ぐためにも、採用フローのより早い段階で、こういった情報をいかに多くの求職者に届けることができるかが、採用活動成功のポイントと言えるでしょう。