アナザーヒストリー
宮越 大樹 取締役・主任講師
「部下は肝心なことを相談してこない」2005年、マネジメントに悩みコーチングを学び始めた私は、そのことに気づいてショックを受けました。学んだスキルが活かせないのです。
現在1on1の広がりもあり、コーチングを学ぶ機会はますます増えました。しかし、「肝心なことを相談してもらえるのか」そして相談を受けた際に、「相手が主体的に動けるように関われるのか」は多くの人々にとって課題のままです。
私はこの15年、講演や研修、メディアを通じて数えきれないほどの現場の悩みに対応してきました。そして確信しているのは、まずは「日常のコミュニケーションを変えることが重要だ」ということです。
日常のコミュニケーションがコーチング的に置き換わると大きな効果が生まれます。コーチング的なコミュニケーションとは相手が、①心理的安全性を感じ②本来の目的に気づき③主体的に行動することで④学び、成長するような関わりです。
そんな関わりがチームのパフォーマンスを向上させ、肝心なことを相談される関係をつくり、難しい問題に対しても主体的に行動してもらえる状態を作ります。だからいつでも自然にコーチング的な関わりをして欲しい。そのため本書は「豊富なエピソード」「背景となる心理学理論の紹介」「厳選されたシンプルなスキル」を特徴としています。
多岐にわたるエピソードは全て実話で、登場人物の心理描写なども詳細に描かれています。これらを通じて「人が変わるコミュニケーション」のポイントがリアルにイメージできます。また、日常から1on1まで使える効果的な質問群も、裏付けとなる心理学理論とともに紹介しているため、納得感を持って効果的に活用いただけるはずです。
実際、「自他の可能性を強く感じた」「人が変わるコミュニケーションのポイントが分かった」「マネジメントへの勇気が湧いた」などの声が多く届いています。日常から1on1までコーチングコミュニケーションを使いこなす人が増えて、皆がパフォーマンスを発揮できる社会に近づくことを願っています。
宮越大樹 著
ぱる出版
1400円+税
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