デロイト トーマツ人材機構
宮崎 裕孝 執行役員 マネージングディレクター
絶え間ない外部経営環境の変化への対応として経営管理基盤となる経理・財務、総務・人事での採用ニーズは常に存在します。
コロナ禍の環境下で経営管理面強化を実施した企業においては次の成長実現に向けた攻めの領域での採用が活発化しています。事業開発、海外事業、国内外営業、製造領域強化等を豊富な経験・高い知見を有する大手企業出身人材の採用で実現する動きも多々見受けられます。
近時の当社事例においても自動車部品メーカーで北米拠点設立を計画する企業が当該新設拠点代表として国内大手企業で長年、海外事業を牽引されていた人材を役員待遇で採用されたケース、新たな商材の製造販売を目指す企業が品質面を含む製造領域の責任者として国内大手企業で製造部門責任者として人材育成も含む豊富な経験を有する人材を採用されたケース等、次の経営方針を明確化されている企業では厳選ながらも適切な外部人材を十分な条件面を準備・提示し採用されているケースが増加しています。
主担当領域のみならず常に全社視点で動ける人材、人材育成についても経験・知見、強い関心がある人材にニーズが高い状況です。
候補者側の状況として、特定領域における経験・知見を有しながら新規事業立ち上げ局面等を経験されている候補者は採用に至る可能性が高いといえます。不安定な状況等を乗り越えた経験は各種インフラに制約ある企業において特に活かす事ができる部分といえます。
採用企業側として経営人材の採用意思決定に関わる経営層が会社の現状、方向性等について明確に伝えられるよう、準備・整理される必要があります。新事業参入を目論む企業において事業責任者採用の面接時に候補者からその方向性に係る質問があった際に適切な回答が出来ずに辞退されるケース等は残念ながら散見されます。
企業は候補者を選ぶ立場でありながら経験・知見ある候補者からは選ばれる立場である点を再認識頂くことが目的に合致する人材採用の実現に繋がると考えます。
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