リクルート(東京・千代田、北村吉弘社長)がまとめた「就職白書2023」によると、2024年卒学生の採用予定数は前年2.5人増となる29.5人となり、採用意欲が増加傾向にあることが明らかとなった。(文:日本人材ニュース編集部)
2024年卒採用について採用予定数を聞くと、2023年卒の平均26.9人から2.5人増えた29.5人であり、採用意欲が増加傾向となった。
【2024年卒採用予定数】
全体 29.5人(前年26.9人)
従業員300人未満 7.0人(同6.7人)
従業員300~999人 17.4人(同15.7人)
従業員1000~4999人 45.3人(同40.9人)
従業員5000人以上 126.1人(同117.9人)
2024年卒の採用基準については、「2023年卒並み」が78.8%で最も高く、「厳しくなる」は8.8%、「緩くなる」は4.3%だった。2023年卒では「緩くした」が8.3%で「厳しくした」の8.7%とほぼ同水準だった。
特に、従業員規模「300人以上」では、「緩くした」が「厳しくした」より高いもしくは同率であり、リクルートでは「比較的規模の大きい企業において採用基準を緩くしていたことが分かる」と分析する。
2023年卒採用と比較した2024年卒の見通しを聞いたところ、応募人数では、「減る」が25.6%と「増える」の22.4%を上回った。
【2023年卒採用と比較した2024年卒採用の応募人数の見通し】
増える 22.4%
同じ 52.0%
減る 25.6%
地域別で見ると「北海道・東北」で「減る」が27.5%と「増える」の16.8%に比べ10ポイント以上高かった。
【2023年卒採用と比較した2024年卒採用の応募人数の見通し】
北海道・東北 増える16.8%、減る27.5%
関東 増える25.7%、減る25.5%
中部・東海 増える21.2%、減る26.4%
関西 増える23.0%、減る27.3%
中国・四国 増える19.2%、減る24.0%
九州 増える16.1%、減る19.5%
2024年卒の採用方法・形態の予定を見ると、「スカウト・オファー型の採用」が28.5%で、2023年卒実績から5.7ポイントの増加だった。特に「5000人以上」では、10.5ポイント増加の47.3%が実施予定と回答。
「5000人以上」では「地域限定社員の採用」、「職務限定型採用(ジョブ型採用)」等の採用方法でも2023年卒実績を上回る予定となっており、リクルートでは「多様な手法・形態で人材獲得を目指していることがうかがえる」とした。
【2024年卒 実施または実施予定の採用方法・形態】
部門別採用 35.7%(前年差-1.3ポイント)
コース別採用 28.2%(同0.2ポイント)
地域限定社員の採用 17.5%(同1.1ポイント)
新卒の契約社員の採用 1.7%(同0.0ポイント)
新卒の紹介予定派遣採用 1.5%(同1.2ポイント)
職務限定型採用(ジョブ型採用) 9.2%(同1.2ポイント)
スカウト・オファー型の採用 28.5%(同5.7ポイント)
新卒の人材紹介会社を介しての採用 16.8%(同-0.2ポイント)
リファラル採用 18.0%(同3.0ポイント)
初任給格差をつけた採用 7.3%(同1.3ポイント)
採用直結と明示したインターンシップからの採用 12.9%(同3.5ポイント)
2025年卒以降の新卒採用での職務限定型採用は、「導入する予定」、「導入を検討している」を足した「導入/検討・計」は14.2%だった。従業員規模別に見ると「5000人以上」は28.4%と最も高く、従業員規模が大きいほど「導入/検討・計」と回答した企業の割合が高かった。
調査は、2022年12月2日~2023年1月11日、全国の新卒採用を実施している従業員規模5人以上の企業4851社を対象に郵送とインターネットを併用して実施し、1569社の回答を得た。