アスシア
小椋 将樹 代表取締役社長
求人倍率が10倍を超える状況が続いています。特にPL、PMなどのチームをリードするような職務やDXを推進する人材の採用難度は、一層高いものになっています。
年々激しさを増すエンジニアの獲得競争ですが、大きく2つの理由を無視して採用することは難しい状況です。
1つ目は、DXを推進する事業会社の採用活動がより活発になり、採用に取り組む会社や人数が増え続けていること。
2つ目は、統計データでも触れられているように25~44歳の働く人の数は減り続けていること。多くの会社が、採用する際のターゲットとしている年齢層です。
社会に存在する人が少ない以上、獲得難度が高まるのは当然です。難しい層の人材獲得を目指すのであれば、対応策は待ったなしで必須です。厳しい採用競争下でお勧めする代表的な打ち手を短期と長期にわけて解説します。
短期策:
①内定辞退などを防ぐために賞与など実年収が下がらない配慮を行う(内定まで選考をすすめている関心の高い人を採用できる可能性をひきあげる)
②担当する職務などを明確にする(今でも曖昧な仕事内容の説明が多いが、入社後の明確な案内は重要)
③面接担当者のトレーニングを実施する。面接内容を選考中心ではなく自社のアピールを優先して魅力を伝える(面接を担当する多くの人は、人が多い時代を経験した古い選考型面接を引きずっていることが多い)
長期策:
①年収レンジを市場同等以上にする
②40代後半までではなく、60歳までの採用を実施する
③年齢の高い人が部下や上司になっても活躍する風土・制度の改革を行う
④自社の魅力を発信し、採用ブランド(採用マーケティング)を高める
多くの会社が長期策を見送り、短期策や採用担当者の力量やコストをかけることで担保していますが、長期と短期の両輪の施策が必要です。先に改革を行った会社では採用は前に進んでいることが多いです。「現実吟味に耐える採用戦略に舵をきれるか」が、エンジニア採用成功の鍵になっています。
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