メンタルチャージISC 研究所
岡本 文宏 代表取締役
【PROFILE】経営者、マネジャーとして14年間、商売の現場の最前線に身を置き、手に入れたリソースを活用し、小さな店・会社の経営者、エリアチェーンのオーナー、店長、マネジャーなど延べ250人以上に、現場ですぐに活用できる“小さな組織の人”に関する問題解決メソッド、スタッフを活用して業績アップを実現する「繁盛店づくり」のノウハウを提供。また、講演活動(年間100回以上)、専門雑誌への寄稿、連載執筆は約300冊。著書は『リモート・マネジメントの極意』『人材マネジメント一問一答』『できる人材がすぐに辞めない職場のつくり方』『店長の一流、二流、三流』『仕事を任せるシンプルな方法』『繁盛店のやる気の育て方』などがあり、海外でも翻訳、出版。
これまでに、セミナーや研修などの受講者に対して3万枚以上のアンケートを行ってきました。その中で、上司、経営者の一番の悩みは「離職」だと分かりました。
高卒、大卒ともに3割以上が3年以内に離職し、従業員数5~29人の企業では半数が3年で離職するという厚生労働省のデータがあります。これは、10年以上前から多少の差はあるものの大きな変化はありません。
「離職」は、以前から、上司、経営者にとって大きな問題なのです。
とくに、今は人手不足の状況が常態化している職場が多いので、せっかく採用して育てた若手や、仕事ができる人材が離職してしまうことは、組織にとって大きな痛手となります。上司、経営者は離職防止のために、今まで以上にマネジメントに注力しなければなりません。
ただ、現代の上司、経営者は少人数の組織で、これまで以上に成果を上げることが求められるがゆえ、自らプレイングマネジャーとして業績アップのためにチームの先頭に立ち続けなければなりません。
そのため、腰を据えて部下と向き合う時間が取れないというのが実情です。そこで、多くの時間を掛けず効率よく部下を育て、マネジメントできる手法として、15分で完結できる手法をお伝えしようと思い本書を執筆しました。
具体的には、日々のコミュニケーションで必要な「傾聴」「質問」などのスキル、「個別ミーティング」で必要なノウハウ、人材育成の考え方に加え、仕事ができる人材を揃えるための採用手法にも言及しています。1%の努力を日々継続していくことで、1年後には何も行っていない場合と比べて、38倍もの差が生まれるという「1%の法則」があります。
本書のキーワードである「15分」は、1日の1%です。短い時間でも、スタッフと対峙することに力を注ぎ、それを積み重ねていけば、上司、経営者が自分に関心を寄せてくれていると感じ、承認欲求が満たされます。結果として、仕事に対するモチベーションが上がり、離職も減っていくことになります。ぜひ、本書で紹介している15分マネジメントを実践してみてください。
岡本文宏 著
WAVE出版
1,500円+税
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