企業風土改革を支援しているスコラ・コンサルトが全国の一般職・管理職・役員約6000人を対象に実施した「組織に関するアンケート調査」で、職場や仕事に対して不満を持つ人の割合が40代は他の世代に比べて多いことが分かった。調査を行ったスコラ・コンサルトは「 40 代の不満が高い状態は『職場のミッドライフ・クライシス』の兆しと言え、対策が求められる」と指摘している。(文:日本人材ニュース編集部)
今のチームのメンバーでいることに満足しているかを聞いたところ、「そう思わない」と「どちらかと言えばそう思わない」の合計の割合は、20代は15.4%、30代は22.3%、40代は24.8%、50代は22.6%、60代は14.9%と、40代が最も多かった。
40代(一般職・管理職・役員)が持つ職場に対する不満は、「一部の人に業務が集中している」(26.7%)、「社員のそれぞれの仕事が手一杯で余裕がない」(22.9%)で、他の世代も同様にこの2項目が上位となった。
40代(一般職・管理職)が直属の上司に持つ不満は、「部下への仕事の配分が適切でない」(16.9%)がトップ。「上の役職者の顔色ばかりを気にしている」(15.9%)、「部下への教育や助言が不十分」(15.9%)が続いた。
40代(一般職)が持つ仕事への不満は、「仕事の負担やストレス、プレッシャーが大きすぎる」(27.4%)、「仕事に必要なリソース(人、モノ、金)が不足している」(26.8%)が他の項目を引き離して多い。
デジタル化やビジネスモデルの変革、働く環境の変化に対応するために、業績への貢献だけでなく、リスキリングや働きやすい職場づくりなど、多くの課題を抱える40代の負担は増している。
40代が上の世代・下の世代と接して驚いた・困ったことを自由回答で聞いた内容をスコラ・コンサルトが整理した項目を見ると、上の世代に対しては「プライベートを犠牲にして仕事をする」「これまでのやり方・考え方への固執・押し付け」「自分勝手」「パワハラ・乱暴」「女性への偏見」「ITが苦手」となっている。
一方、下の世代に対しては「打たれ弱い」「仕事よりプライベートを重視」「マナーが身についていない、自分勝手・責任感がない」「コミュニケーションが苦手」「自分で考えない」「一律の対応が難しい」が挙がっており、若手にどう接すればよいのか悩んでいる様子がうかがえる。
調査を実施したスコラ・コンサルトは、「現代社会では、上の世代である50~60代の『昭和の価値観』(仕事優先・会社中心)と、下の世代である20~30代が重視する『令和の価値観』(ワークライフバランス重視・個の尊重)が大きく乖離しているように見えますが、40代はこの異なる価値観の狭間に立たされ、どちらの価値観も分からなくはないが、どちらにも完全に共感できないという、どっちつかずのジレンマを抱え込んでいるように見えます」と解説し、40代に対して、「自分自身の価値観を再認識する」「積極的な対話を通して相互理解を深める」「多様性を前提としたチームワークを構築する」の3つの対策を提言している。
「組織に関するアンケート調査」の詳細はこちら
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000029.000073818.html
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