【人事職の中途採用】即戦力の採用業務経験者(特に採用PM経験者)のニーズが高い

日本人材ニュース

FiVE
泉谷 翔 代表取締役社長

【PROFILE】1981年生まれ。大学卒業以来、約18年間人事領域の業務に従事。主にWeb系のベンチャー/スタートアップ(ココナラ、hey(現:STORES)、Speee、PIXTA)に在籍。ココナラ社では1人目の人事として、人事機能の立ち上げに奔走。20人から150人にいたるまでの急拡大フェーズならびにIPO、HR組織のマネジメントを経験。hey社ではPX部門TA本部(人材採用を統括する組織)のマネジメントに従事。2022年10月、困っている人事の方や経営者の力になるべく、FiVEを設立。

人事職の中途採用では、企業側の最大ニーズは採用担当です。採用難による人材不足が続く中、即戦力としての採用業務経験者を求める傾向が強く、なかでも採用PM経験者のニーズが高いです。

一般的になりつつあるRPO等の外部パートナーを織り込んだオペレーション体制の設計やそのマネジメント、KPI設計と進捗管理、ステークホルダーの調整まで担えることが特徴的なポジションとなります。

一方、求職者側の転職理由は概ね三つに収斂します。

①人事の仕事は会社が変わっても大枠は変わらないことから、転職を通じて「同じ人事領域内でできることを増やす、もしくは変える」機会を求めている(例えば、採用から組織開発・人事企画へ役割を広げたいなど)、②人材系企業での営業職から企業人事へ転じたい、③相性のよい経営者や企業カルチャーを求めたい、です。

①は現職においても実現できる可能性がありますが、③は会社固有のもので変えにくく、転職理由としては合理性が高いです。ただし意思決定は単一要因ではなく複合的となっています(②はジョブチェンジとなるため、本レポートでは割愛します)。

以上を踏まえ、企業が人事職の採用を成功させるには、求人票や採用広報、つまり情報発信の質と量を高めることが肝要と考えます。たとえばジョブスコープ、成果責任、裁量の幅、隣接領域(組織開発・人事企画)との接点と染み出し余地、プロジェクト推進の期待値を明確にします。

とりわけ、採用を軸にしつつプロジェクト単位で推進し、外部パートナーを使いこなす設計力を備えた人材は市場でも非常に評価が高く、企業からの引き合いが強いです。ゆえに企業側は、「いかに選んでもらえるか」の観点で情報発信をしていくことで母集団の質が上がります。

さらに、③のニーズに応えるため、経営者自身についてや組織風土、事業の方向性を言語化し、情報を発信することが求められます。また、カジュアル面談をはじめとした選考の初期段階から期待値のすり合わせも重要となります。

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