ヒューマンリソースイノベーション
亀山 恭一 代表取締役社長
自動運転やコネクテッドカー関連のコンポーネントテストを担うソフトウエアエンジニア、IoTやビッグデータ活用の専門人材など、電気・電子・制御系のエンジニアを求める企業が非常に多くなっています。
また、部品や素材のサプライヤーが自社の技術者を自動車メーカーに常駐・派遣して複合材などの開発に協同で取り組むことが増えており、例えば異種金属の溶接に知見を持つようなマテリアル系のエンジニアの求人も増えています。
素材・化学分野ではAIを活用したマテリアルズ・インフォマティクス、新素材の測定関連の人材需要も伸びています。
これまでは新卒でエンジニアを採用していた大手企業が中途採用を年々拡大しています。
特に事業のグローバル化が加速している企業は、海外企業との競争で一層のスピードアップに迫られ、即戦力のエンジニアを採用して現地に送り込むケースが目立つようになりました。
大手企業の新卒採用の割合は依然として大きいものの、以前のように幅広い分野でエンジニアを抱えて、じっくりと育てていくことが難しくなっています。
多くの企業で40歳前後の氷河期世代のエンジニア不足が課題となっていますが、転職市場にも候補者が少ないため、スキルと経験を備えた人材の採用競争は激しい状況です。
転職によって年収が15〜30%程度アップするエンジニアが大半で、ニッチな分野では年齢を問わず奪い合いとなっており、数千万円の年収提示も珍しくありません。
また、近年は外国人エンジニアを採用する企業が増加し、日本語能力試験でN1を求めていた企業がN3まで条件を緩和するといった動きも見られます。
エンジニアは自身の技術力を活かすために転職を考えますが、「海外勤務などを厭わず高い報酬を望む」「地域限定でないと働けない」など、働き方の希望をはっきりと示す候補者が増えていますので、採用力を強化するためには、多様なニーズに応えられる人事制度の必要性が高まっています。