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岩橋 敏雄 東京オフィス代表
海外事業の収益向上のための増員や駐在交代等による海外営業、現地スタッフ育成や海外工場の生産性アップのための技術者、工場マネジメント層、新規拠点立ち上げのための拠点長などの採用需要が変わらず多い傾向です。
一方、近年増加傾向として上場企業をはじめ、新たに海外展開する企業の増加に伴う「グローバル人事」「グローバル経理」といったグローバル人事制度設計や現地での管理スペシャリストの求人が増加しています。
採用される求職者の特徴として「、当該業務のスペシャリスト」や「グローバル対応実務経験のある人材」、そして「英語力のある人材」が目立ちます。
若手にグローバル業務の主軸を担ってほしいという観点から20代を採用する企業も増えていますが、その場合課題も多くあります。
採用要件は満たしていても、候補者側の転職目的の不明瞭さによる選考離脱や企業情報認知不足で、採用に至らないことも多々あります。
グローバル人材を採用するためには、以下の3点が重要になります。
1.「何をしてほしいか」を明確にする。
2.「採用したい人物像」を明確にする。
3.「採用したい人材要件」と「採用できる人物」のギャップを経営層・配属部門・人事部で共有し、採用のPDCAを回しながら最適化する。
特にグローバル人材の採用経験が無い場合、採用する人物像の特定や経営・事業判断が曖昧になっていることがよくあります。そうしたケースでは、部門間の求める人物像の共有も曖昧で、採用現場に伝わっていないことが散見されます。
グローバル人材の採用では、対象となる人材が少なく「ピンポイト採用」であるために、人物像の絞り込みができていない企業は苦戦します。
また、採用はできても、就業後に力を発揮できず、事業としても成果が出せずに、実態としてグローバル採用が成功していないケースもあります。
それゆえ、求める職務内容と人材要件の明確化、各部門を巻き込んで採用のPDCAを回せるかどうかが、国内人材の採用以上に重要であると言えます。