タリスマン
盛内 文雄 代表取締役
製薬業界は、新薬メーカーの主な収益源である新薬が出にくい状況にあります。一方で国内全体のジェネリック医薬品の利用推進により、ジェネリック専業メーカーの製造ライン投資や新薬メーカーのジェネリックメーカー買収などによる参入が見られます。
新薬メーカーにおけるアウトソーシングが進む中、CSO、CRO企業の採用が活発です。新薬メーカーにおける雇用の動向では、各社は新たな戦略や事業の選択と集中に迫られています。
戦略から外れた事業は他社への売却、人員削減という結果につながっており、今後もこうした状況が続く可能性が高いと考えられます。このような背景から、採用ニーズは各社の戦略に沿った専門性の高いピンポイントな人材になっています。
例えばMRの場合、ガン領域での経験が5年以上、大学病院経験者、希少疾患経験者等の求人が目立っています。業務のアウトソーシングにより、アウトソースされたプロジェクトのマネジメントスキルを必要とする求人案件も出ています。
また、ジェネリックメーカーの買収により、MRが新薬からジェネリックに転籍するケースなども見られます。
MSLなどのポジションでは、同一領域経験のある研究者や臨床開発、MR出身者を採用するなど、候補者にとってはキャリアチェンジの形で転職をする場面も増えており、その意味では人材の流動がしやすい職種も一部存在しています。
ただし、キャリアチェンジにも専門性を求める傾向が日々強まっており、各社は限られた領域において、より即戦力になる人材を取りに行くため、競争も激化しています。
優秀な人材は、業界全体の再編の可能性や動向に注視し、どの専門分野でどのようなスキルを身につけていくべきかという点に大きな関心を持っています。
そのため採用案件情報に留まらず、業界内におけるプレゼンスや社内キャリアパス・トレーニング制度、社内環境を伝えるための効果的なアプローチを行う必要があります。