シー・シー・コンサルティング
斉藤 政之 専務取締役
直近の外資系企業の採用は、経理・財務とマーケティング関連の求人が増加傾向にあります。経理・財務の求人数は、全体で昨対比122%、内訳は「財務会計、管理会計」と「監査、リスク管理」でそれぞれ130%を超えています。
マーケティング全体は110%増となり、中でも「オンラインマーケティング」と「PR」は125~130%増となっています。
どちらの職種でも英語力を要し、即戦力として活躍できる人材が求められています。有効求人倍率が毎月上昇している中、バイリンガルマーケットも同様に完全な売り手市場となっており、優秀な人材は複数の企業からオファーを受けているのが現状です。
企業が採用を成功させるポイントは大きく分けて三つあります。
一つは、マーケットにあわせた求人広告を作成すること。外資系企業が海外本社の求人情報の内容をそのまま日本で掲載したり、日系企業の“総合職”のように職責が不明瞭な求人を掲載したりするケースが散見されており、そのような求人はより明確な内容に変更する必要があります。
バイリンガル人材が少ない日本では、すべての要件を満たす人材を求める場合は給与水準を上げるか、もしくは複数ある応募必須要件のうち、何点かは妥協することも必要になります。
二つ目は、売り手市場である現在、応募を待つというスタンスでは、競合他社に優秀な人材を渡してしまうことになるため、企業は主体的に採用活動を行うことが必要です。
実際当社の顧客企業で採用に成功している企業のほぼ半数は、直接候補者にアプローチをして採用に至っているので、採用の条件に適した人材には積極的にスカウトメールを送るなど、受け身の姿勢だった企業は能動的な採用活動にシフトする必要があります。
三つ目は、選考期間を短くし、マーケットに沿った条件を提示することです。ほとんどの求職者が複数の企業の選考を同時に受けているので、他社の選考状況を把握し、できるだけ早く意思決定を行うことが有効になります。