グローバル人材育成を支援するアルーは10月17日、「Executive HR Seminar 2014」を都内で開催した。企業のグローバル展開における人事の課題や本当に戦えるグローバル人材を育成するために重要な視点、有効的な人材マネジメントの実行について考察が行われた。
セミナーでは、日立グループの人事のグローバル化をリードする日立総合経営研修所の山口岳男社長、豊富な海外経験を持ち経営者としてグローバル戦略を推進したIHIの昼間祐治顧問、アルーの落合文四郎社長が登壇。企業の人事責任者ら約150人が参加し、人材マネジメントの最新事例に熱心に聴き入った。
グローバルでの人材活用の最適化と効率化を追求
日立総合経営研修所
山口 岳男 取締役社長
山口氏は、各社・各国の個別最適の制度・施策から、グループ・グローバルベースでの人材活用の最適化と効率化の追求へと転換した日立グループの改革について説明し、「グローバル化が進展する中で、多様な人材をグローバルに活用している企業が勝ち残る。人材データベースや制度が完成し実行段階に入るこれからが正念場だ」と力を込めた。
話せるようになるためにトレーニング成果を可視化
アルー
落合 文四郎 代表取締役社長
続いて、落合氏がグローバル人材の育成について、「自社のグローバル人材像と必要な人数を明確化した上で育成体系を構築することが重要」 と指摘し、同社が開発したトレーニングプログラムの中から、受講生を海外に派遣して現地スタッフのマネジメントを実践させる「Servant Leadership Program」、2カ月で赴任可能なレベルのビジネス英語が使えるようになる「ALUGO BOOT CAMP」の導入事例や効果などを紹介。「トレーニングの成果を可視化し、“話せるようになる”という目的の達成に徹底的にこだわっている」と強調した。
人事部門は管理型から成長を後押しする役割へ
IHI
昼間 祐治 顧問(元副社長)
昼間氏は、これからの人材の課題について、自身の経験やIHIのインド滞在型研修に触れながら「若い社員にもっと海外経験を積ませるべき」と説いた。そして、「新しい価値を生み出す人材が必要。人事部門は管理型から事業成長を後押しする役割に転換してほしい」と話した。