AIMSインターナショナルジャパン
藤枝 美佳 エグゼクティブコンサルタント
コロナ禍で生活様式はもちろん、人材マーケットにも変化があったことは事実です。しかし、リーマンショックと比べ相対的ではありますが少なくとも現在までは、同レベルの影響を受けたとは言い難いと感じています。
転職を検討する方は、先の見通しを見極めつつではありますが、さほど増減なく、若手からシニア層まで一定数を保っています。企業は昨年4月後半から一旦採用凍結をしたところもありますが、6月中頃から再開しました。
ただ採用の中心は、引き続き若手から中堅層と、DX人材、データアナリスト、デジタルマーケなどいわゆる専門人材です。しかも若手も未経験での採用は厳しく、即戦力かつ厳選採用に切り替える企業が増えています。
優秀な若手は他業界含め、多くの選択肢を持ってキャリアチェンジを検討する傾向があります。そして高い専門性を持つ方は、他業界の求人もターゲットとなるため、選択肢が広くなります。企業は優秀な若手、専門性の高い人材を採用しようとすればするほど、他業種を含めての激戦マーケットとなっているため、良い人材を採用するための工夫が必要となっています。
採用成功には、採用手法や採用条件の差別化、企業としての魅力など訴求力アップが求められます。Web面接の導入はもとより、在宅勤務などのフレキシブルな労働条件や、魅力的な福利厚生と仕事の内容に見合った報酬への関心が高くなっている方も増えています。そして、「本当にそこで自分がやりたいことができるのか」も大切は判断基準になっています。
面接でも、いかに自社の魅力を伝えるか、候補者の動機付けを行うことが必要となっています。というのも採用の競合相手であるビッグテックやEコマース企業は、トップクラスの人材を誘致するために様々な情報発信を自ら行い、企業ブランドを高めることに努力しているからです。
求めている人材が、「企業に何を期待しているか」を的確に理解し、体制を整えるとともに自ら情報発信していく努力をすべきではないでしょうか。