【アルバイト採用】長期雇用の人材が枯渇し、短期アルバイトの新規求人数が増加傾向

日本人材ニュース

フルキャストホールディングス
小田 延宏 経営企画部 部長

景気の緩やかな改善、少子高齢化による就労人口減少の影響で人手不足感は一層高まっており、企業は正社員などの長期雇用を求める動きを活発化させていますが、人材の確保は年々厳しくなっている状況です。

長期雇用の人材が枯渇していることから、短期の就業希望者や非常用雇用(アルバイト・パート)の労働者をうまく活用して事業運営を円滑に進めようという企業が増えており、その影響で当社においては新規求人数が増加傾向にあります。

短期アルバイトの求人数は、需要変動が激しく、正社員採用が難しい物流業や製造業が特に多い状況でしたが、直近では訪日外国人の増加による特需の取り込みや、消費の冷え込みに対応すべく流通主導のキャンペーンを実施するなどの動きがあり、そのタイミングだけ必要な人材を確保したい飲食や小売・販売業の求人も多く目立ちます。

求職者はパート・アルバイトの方を中心に、学生、主婦(夫)、派遣社員など、主業をもった属性の方が増加しています。学生なら学業、主婦(夫)なら家事と、それぞれが主業の合間に自分の都合に合わせて働ける「働き方の多様性」を望んでいると思われます。

企業が採用を成功させるポイントは、その「多様な働き方」に対応していくことです。一昔前まで、人手不足への対応策は求人誌への出稿を増やすか、時給アップすることが主流でした。

しかし現在はスマートフォンの普及などにより、就業希望者は時給だけでなく、就業条件や福利厚生、勤務先の口コミなど、時給以外の情報を詳しく収集し、他と比べて判断できるようになっています。

つまり「時給が高い仕事=魅力的」とは言い難くなっており、主業の傍らで短時間就労を希望している求職者が多くなっていることを踏まえた上で、勤務時間の融通を利かせたり、給与支払いサイクルを工夫したり、多様な働き方に対応できる環境を整備することが、人材の採用を通じて生産性の向上を目指す企業にとって、重要な課題となってくるのではないでしょうか。

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