エグゼクティブコーチングとは?効果やコーチの選び方を解説

エグゼクティブコーチングのイメージ

エグゼクティブコーチングとは、エグゼクティブ層や組織全体の変革のために注目されているアプローチの一つです。実施により具体的にどのような影響があるのでしょうか。本記事では、エグゼクティブコーチングの概要や目的、効果について解説します。実施の流れやコーチを選ぶポイントもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

エグゼクティブコーチングとは

エグゼクティブコーチングとは、企業のトップや幹部などを対象に、1対1で行うコーチングです。優秀なリーダーとして周囲によりよい影響を与えられるよう、エグゼクティブ層の意識や行動変革を行うプログラムを指します。

そもそもコーチングとは、「答えはその人に中にある」という考えに基づき、対話によってクライアント本人が答えを創り出すサポートを行うことです。エグゼクティブコーチングはコーチングの一種で、対象を企業の上層部に限ったものを指します。

エグゼクティブコーチングとコンサルティングの違い

コンサルティングは、コンサルタントが企業の現状を分析し、問題や課題の解決を手伝うことが目的です。一方で、エグゼクティブコーチングは、エグゼクティブ自身の気づきを促し、自身で問題や課題を解決できるようサポートすることを目的としています。

各々の違いに注目しましたが、企業や個人の目標達成のため、サポートするという点は同じです。

エグゼクティブコーチングの目的

エグゼクティブコーチングを行う目的は、エグゼクティブ層にとってよい相談相手を作ることと、経営のプロフェッショナルとしての成長をサポートすることです。エグゼクティブ層は、日々多くの判断や決定をする必要があります。企業のトップに立つ人であっても、ときには判断に迷ったり、難しい選択を迫られたりする場合もあるでしょう。

エグゼクティブコーチングを行うことで、エグゼクティブ層に相談相手ができます。第三者の客観的な視点でのアドバイスを通して、これまで持っていなかった幅広い視点での判断や決定ができるようになり、経営者としてあるべき姿を振り返る機会を作れるでしょう。

エグゼクティブコーチングの4つの効果

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意思決定の精度を磨ける
次世代の経営幹部が育成できる
組織全体に好影響をもたらす
マネジメントスキルが向上する

エグゼクティブコーチングの定義や目的、コンサルティングとの違いが理解できたところで、その効果について紹介します。

意思決定の精度を磨ける

企業のトップや幹部クラスなどのエグゼクティブ層は、日々の判断や決定を自身の価値観や経験をもとに実施します。エグゼクティブコーチングによって第三者の客観的な視点を取り入れることで、一つひとつの問題に多面的な角度から対処できるようになるでしょう。

また、エグゼクティブ層は立場ゆえの孤独感を抱えているケースが多いです。相談相手がいることで精神的な安定にもつながります。それ以外にも、市場予測が困難なVUCA(※)の時代に、事業を成長させ続ける「次の打ち手」を考えるヒントにもなるでしょう。

※VUCA: Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字をとった時代の特性を表す言葉。

次世代の経営幹部が育成できる

事業継続のため、次世代の幹部候補を育てることは企業の重要な課題の一つです。エグゼクティブコーチングは、次世代の幹部候補が早いうちから経営者視点の考え方や、組織から求められているリーダーシップなどを学び、身につける機会にもなります。

組織全体に好影響をもたらす

エグゼクティブコーチングは、組織に対して大きな影響力を持つエグゼクティブ自身が抱える課題に気づくきっかけになります。自身の課題を見つめ直し、意識改革や行動を起こすことで、従業員や部下など組織全体の風土改革につながるでしょう。

特に、これまで従業員や自分以外の人に問題の原因を求めていたエグゼクティブに効果的です。自身のあり方を改めることで、組織全体に好影響を与えられます。

マネジメントスキルが向上する

エグゼクティブコーチングでは、コーチから会話の引き出し方や質問の投げ方を自然に学べるため、コミュニケーションスキルが上がります。エグゼクティブが従業員との接し方を変えることでマネジメントの質が高まり、両者の関係性も改善につながるでしょう。エグゼクティブコーチングの実施によって、社内の雰囲気がよくなることも期待できます。

エグゼクティブコーチングの流れ

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エグゼクティブコーチングは、一般的に「現状の把握」「1対1のセッション」「振り返り」の流れで行います。各ステップで行う具体的な内容についてみていきましょう。

現状のヒアリングや目的の共有

コーチ選任後は、実際にエグゼクティブとコーチで話し合いの場を持ち、コーチングの目的や現状の課題などの共有を行います。最初は、お互いに信頼関係を築くことが大切です。エグゼクティブは自身の意志をコーチへしっかり伝えて、ゴールや進め方についてすり合わせましょう。

なお、コーチングで扱うテーマはエグゼクティブが提示し、合意することが一般的です。

定期的な1on1セッション

エグゼクティブコーチングは、エグゼクティブとコーチの1対1で実施します。振り返りや評価をしやすくするため、月1回くらいの定期的なペースで、3カ月から1年間程度の期間をかけて実施することが一般的です。

ここで挙げたペースや期間はあくまでも一般的なものですので、双方で話し合い、事前に決めておくとよいでしょう。

振り返り

エグゼクティブコーチング終了後は、成果の確認と振り返りを行います。成果の確認と振り返りを行い、設定したゴールに未達であれば、原因を確認し継続的に改善を目指しましょう。ゴールを達成できた場合でも、意識だけでなく行動が変化しているかどうかを定期的に振り返ることが大切です。

なお、エグゼクティブコーチングを依頼した会社が、レポートを作成してくれることもあるため、確認するとよいでしょう。

エグゼクティブコーチングの外注費用相場

一般的なエグゼクティブコーチングの料金相場は、1回あたり5〜10万円程度です。依頼先によっては、この金額よりも高い費用がかかる場合もあるでしょう。エグゼクティブを対象としているため、コーチのレベルが高く、通常のコーチングより料金は高水準です。

なお、一般的にエグゼクティブコーチングは、1回60〜90分ほど、月1回くらいの定期的なペースで、期間は3カ月から1年間程度で実施します。1回あたりの時間や実施ペース、継続期間によっても費用は変動するでしょう。コーチとの相性を確認するため、体験セッションを設けている会社も多いため、利用してみるのがおすすめです。

エグゼクティブコーチを選ぶポイント

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エグゼクティブコーチを選ぶ際は、コーチのビジネス経験のほか、フォロー体制などに着目することがおすすめです。コーチを選定する際に参考にしてみてください。

ビジネス経験が豊富かどうか

まずは、コーチ自身のビジネス経験を確認しましょう。職歴も大切ですが、過去の経験を通じてどのような知見を得たのか、困難に直面した際にどのように乗り超えてきたのかが、何より大切なポイントです。経営に関する知識や経験を持っていると、より経営者視点のアドバイスがもらえるでしょう。

また、コーチとの相性も大切です。どのようなアドバイスをもらいたいのか、何を目的にコーチングを受けたいのかを基準に、合うコーチを見つけるのもよいでしょう。

資格や職歴を重視しすぎない

コーチの中には、国際コーチング連盟が発行している資格を保有する人も多くいます。選定する際に、コーチングの資格やコーチとしての経歴を重視してしまいがちです。しかし、いくら華々しい資格や経歴があっても、傾聴力がなく、一方的なアドバイスを行うコーチであれば、クライアントを導くことはできないでしょう。

エグゼクティブコーチングを依頼する際、必ずしもコーチとして業界のエキスパートであったり年上であったりする必要はありません。資格や職歴だけでなく、人柄や熱意、深い学びをサポートしてくれる姿勢があるかどうかなどを考慮し、コーチを選びましょう。

フォロー体制があるかどうか

エグゼクティブコーチングを成功させるには、フォローアップが大切です。コーチング実施後の振り返りや、具体的な行動まで落とし込めているか、それが定着しているか、結果にきちんとつながっているかなどを確認する必要があります。

コーチに正式に依頼する前に、指標となる計画を立ててくれるか、どのようなフォローアップがあるか、必ず確認しましょう。

エグゼクティブコーチングには相性がよく優秀なコーチを選ぼう

エグゼクティブコーチングは、企業のトップや幹部を対象に、エグゼクティブ自身の気づきを促し、自身で問題や課題が解決できるようサポートするものです。エグゼクティブの変革は、組織全体の変革にもつながります。

また、コーチを選ぶ際は、コーチとしての資格や経歴だけでなく、ビジネス経験や人柄、熱意などに注目しましょう。フォロー体制も重要なポイントであり、お互いの相性もあるため、事前に体験してみるのがおすすめです。

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    戦略実行のために乗り越えるべき重要課題を特定し、最適なリーダーシップ開発とアセスメントを提供します

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