2017年6月5日

中途採用の新手法 “ 攻め”の採用で 積極的に人材を発掘

中途採用による人材獲得競争は激しさを増し、従来の採用手法では応募が集まらない状況だ。複数の企業からオファーを受ける候補者も多く、内定辞退も続出している。こうした採用課題を解決するため、採用チャネルの多様化や採用プロセスの最適化などを支援する新たな手法が出てきている。

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 グローバル化やイノベーションで経営スピードが一層求められる時代になり、これまでのビジネスリソースや人材だけでは解決が難しい経営課題が増えている。こうした経営課題の解決に必要な経験やスキルを持った人材を獲得するために、企業の中途採用意欲は高水準だ。

 求人情報サービスのマイナビが2016年に中途採用を実施した企業を対象に実施した調査によると、 64.1%が「人材が不足している」と回答。すべての業種で「不足している」が半数を超える結果となった。従業員数別では、「不足している」が「60人未満」が55.4%、「60~299人」が60.4%、「300人以上」が71.4%となり、従業員規模が大きい企業ほど必要な人数を確保できていない実態が浮かび上がった。
 17年の中途採用見通しでは「経験者採用に積極的」が86.0%に上り、そのうち46.5%は「未経験者採用にも積極的に取り組む」と回答しており、採用基準を下げてでも人材を確保したいという企業の思いがにじむ。

 新卒採用の動向も中途採用に影響を与えそうだ。同じくマイナビの18年大卒採用予定調査によると、文系、理系ともに4分の1以上の企業が採用数をさらに「増やす」計画だ。新卒採用に苦戦する企業では、その不足分を埋めるために第二新卒や既卒者の採用を増やす傾向が出てくるだろう。
 厳しさを増す採用環境において母集団形成に苦しむ企業では特に求める人材に応じて、ダイレクト・ソーシング、リファラル採用、特徴的な求人サイトや人材紹介会社の活用など、採用チャネルの多様化に取り組むことが欠かせなくなっている。

 同時に採用業務の効率化や採用のスピードアップも図らなければならないなど課題も多い。こうした採用課題を解決するために中途採用の新しい手法を提供するサービスが出てきており、これまでの“待ち”から“攻め”の採用への転換で欲しい人材を積極的に発掘する企業が成果を上げている。
採用チャネルの多様化や支援サービスの活用が必須

採用チャネルの多様化や支援サービスの活用が必須

国内最大級の人材データベース開放で本格化するダイレクト・ソーシング

 採用担当者が候補者に直接アプローチする「ダイレクト・ソーシング(ダイレクト・リクルーティングともいう)」に対する採用担当者の関心が高まっている。

 日本最大級の人材データベース「DODA」を運営するインテリジェンスでは2016年1月からダイレクト・ソーシングサービス「DODA Recruiters(デューダ リクルーターズ)」を開始している。
 「DODA」の登録者115万人のデータベースから最適な候補者を検索してスカウトメールを送ることができるサービスだ。

 さらにダイレクト・ソーシングを導入する際の課題であった人材データベースだけでは採用担当者が上手く使いこなせないという状況を解決するため、採用担当者がスカウトメールの書き方などを学べる「リクルーター・アカデミー」を無料で提供しつつ、営業担当がサポートしてダイレクト・ソーシングによる採用を支援している。

社員のネットワークから優秀な人材を発掘するリファラル採用

 企業が候補者に直接アプローチするダイレクト・ソーシングの一つでもある「リファラル採用」に取り組み始める企業も出てきている。

 リファラル採用とは、社員が友人関係やビジネスの人脈を生かして自社への入社を勧める手法だ。例えば、ウエディングプロデュースやレストラン運営を手がけるノバレーゼは、昨年3月からリファラル採用に本格的に取り組み始めた。
 リファラル採用の狙いを、高橋麻菜美同社人材開発部長は「転職市場は売り手市場になっており、求人広告を出して応募を待っているような方法では人材を確保できなくなっています。社員が『ノバレーゼにふさわしい』『ノバレーゼで働いてほしい』と見初める優秀な人材の積極的かつ効率的な採用を行います」と話す。

 リクルートキャリアでは、2014年10月からリファラル採用管理ツール「GLOVER Refer(グラバー リファー)」を提供し、約100社で利用されている。人事、社員、応募者にそれぞれ専用画面を提供することで応募経路の一元化や協力社員の手間の軽減を図っている。また、社員の参加率、応募率、通過率、内定率などを把握できるため目標管理も容易だ。

ウェブ上の求人情報を集めて、求職者に提供する求人検索サイト

 求人サイトや人材紹介サービスでも新しい動きが見られる。

 世界最大級の求人検索サイト「Indeed」は、企業の採用ページや人材紹介・派遣会社のサイト、そして求人媒体サイトに載っている求人情報など、ウェブ上に存在する求人情報をクローリング技術で集め、求職者に提供する。

 Indeed上で求職者が希望の職種・勤務地もしくは職歴にあったキーワードを入力すると、マッチした求人が表示され、最適な仕事を見つけることができるという仕組みで、特に既存の求人媒体では募集に苦労していた職種や地域における採用で効果を上げている。

採用規模や求人内容に応じて利用する人材紹介会社を適切に選択

 人材紹介サービスは、業種・職種や地域などを広くカバーする総合型と、スペシャリストの採用で力を発揮する専門特化型で利用方法の二極化が進んでいる。

 大量採用や全国規模の採用の場合は、登録者データベースから一度に候補者を探し出して数多くのスクリーニングや面談をこなす必要があるため、登録者数やコンサルタント数が多い人材紹介会社を利用する。
 一方、スペシャリストや経営幹部など専門性や事業への貢献度が高い人材の採用の場合は、専門領域に強い人材紹介会社を利用する。専門的な求人内容の把握と同時に候補者もまた専門家であるため、コンサルティングにおいても経験やスキルを深く理解しなければならない。

 特化型の人材紹介会社は専門分野の候補者からよく知られている会社もあり、独自の人材データベースやネットワークを構築している。
 また慢性的に人材不足の業界では求人広告だけでは応募が集まらないため、こうした特化型の人材紹介を併用する必要性が高まっている。

 さらに高度なスペシャリストや幹部の採用ではいわゆるヘッドハンティングと言われるリテインド・ サーチの利用も進んでいる。
 求人内容が経営戦略に深く関わるため一つのサーチ会社と独占的なコンサルティング契約を結ぶ。サーチ会社には適切な候補者を必ず紹介しなければならないというコミットメントが発生するため、リサーチに基づく確実な採用が期待できる。

採用部門のマンパワーやノウハウ不足を解消するRPO

 採用力を高めるには、採用部門の強化が欠かせない。採用部門のマンパワーやノウハウ不足を解消するために、「RPO(Recruitment Process Outsourcing、採用代行)」サービスを利用する企業も出てきている。

 社内で採用担当を増員できない際に外部のリクルーターが採用担当の役割を担ったり、短期間で特定職種の採用ニーズを達成する必要がある時などに、企業の実情に合わせて必要なサービス内容を依頼することができる。

募集の一元化と効果分析を支援する採用管理システム

 採用チャネルの多様化によって採用担当者の業務量は急増している。採用業務を効率化し、最適な採用プロセスにしていくためには「採用管理システム」の活用が欠かせない。

 HRソリューションズが提供する採用支援システム「リクログ」は大手企業を中心に700社以上に利用されている。採用チャネルの多様化に対応して多くの経路からの応募情報を一元管理して有効な母集団形成をサポートする。同時に応募数や歩留まりを常に可視化することができる。

 採用管理システムには、中途採用に特化したもの、低価格で導入できるもの、タレントマネジメントシステムの一部として提供されるもの、 グローバル採用で実績があるものなど特徴があるので、自社の採用の実情や達成したい目標に合わせて導入したい。

面接の非効率性を改善するためにウェブ面接を導入

 複数の企業から声が掛かるような人材との面談を面接者の日程調整に時間を費やしてしまい、機会を失ってしまうこともある。また全国規模の採用では、面接会場の確保や出張費用なども大きな負担になっている。

 こうした面接の非効率性を改善したい企業では「ウェブ面接」を導入している。

 タレンタ社では、従来のスカイプ面接にはない便利な機能を備えた「デジタル面接システムHireVue」を提供している。録画面接機能では、テキスト、動画、静止画像を組み合わせた質問が用意でき、回答は自撮り録画やテキストが選択できる。

 応募者はいつでもどこでも面接を受けられ、面接官も都合の良い時に録画を見ることができる。上位評価者は評価結果に疑問があれば録画を見直せる。
 ライブ面接機能は、面接官3人まで同時対応している。応募者には見えない裏側で面接官同士のチャットができ、評価を確認しながら面接を進められる。

 採用力を強化するには採用担当者だけが頑張るのではなく、全社で人材採用に取り組むような社内の協力体制を作り上げていくことが肝心だ。
スカイプにはない面接専用の機能が効果的

スカイプにはない面接専用の機能が効果的

●タレンタ社の「デジタル面接システムHireVue」ライブ面接画面(イメージ)

◆◆中途採用の新手法 分野別サービス紹介◆◆

115万人のデータベースを検索し、直接スカウトメール【ダイレクト・ソーシング】

 企業が求職者に直接アプローチするダイレクト・ソーシングに対する採用担当者の関心が高まっている。インテリジェンスでは、国内最大級115万人の登録者数を持つ人材データベース「DODA」を企業に提供し、採用担当者が最適な候補者を検索してスカウトメールを送信できるダイレクト・ソーシングサービス「DODA Recruiters」を開始している。

 「DODA」は経験業種・職種、年収水準、地域を網羅しているため多様な採用ニーズに対応でき、募集職種は無制限だ。採用担当者は「DODA」の登録者から経験職種、スキル、年収などで候補者を検索してスカウトメールを送り、応募後のやり取りもシステムで行える。サービス利用は基本料金のみで入社時の成功報酬が必要ないため、採用力が上がることによってコストパフォーマンスも高まる。
 
 ダイレクト・ソーシングを成功させるためには、採用担当者が求職者一人一人に適したスカウトメールを送るなど採用ノウハウを蓄積する必要があるため、同社では効果的なスカウトメールの書き方、レジュメの見方、面談・クロージング等の実践的な採用ノウハウが学べる「リクルーター・アカデミー」を採用担当者に無料で提供している。

DODA Recruiters「日本最大級の人材データベースを活用したダイレクト・ソーシングで採用力を強化します」 - 人材コンサルティング会社ガイド100選

DODA Recruiters「日本最大級の人材データベースを活用したダイレクト・ソーシングで採用力を強化します」 - 人材コンサルティング会社ガイド100選
小林 幸嗣 転職メディア事業部 プロダクト企画統括部 エグゼクティブマネジャー

管理業務や協力社員の手間を軽減、目標管理も容易に【リファラル採用】

 社風に合った人材や最適な経験・スキルを持った人材の採用で効果が高いとして注目されているのが、社員やOBなどの紹介で採用する「リファラル採用」だ。

 このリファラル採用の管理ツール「GLOVER Refer(グラバー リファー)」をリクルートキャリアが提供しており、「マッチングや定着率の向上、ニッチなスキルを持つ人材の確保、人材の多様性の維持、採用コスト削減等がメリット」(中山好彦同社ビジネスディベロップメントスペシャリスト)だ。
 リファラル採用を導入する際の課題は、応募経路が多様になり管理業務が複雑になることや協力社員の本来業務以外の手間が増えることなどがある。「GLOVER Refer」はこうした課題を解決するツールであり、人事、社員、応募者に専用画面を提供して、応募経路の一元化や協力社員の手間の軽減を図っている。社員の参加率、応募率、通過率、内定率などを把握でき、目標管理も容易だ。
社員の参加率などが把握できる人事専用画面

社員の参加率などが把握できる人事専用画面

職種・勤務地、職歴のキーワード検索で求人を表示【求人検索サイト】

 主要求人サイトの求人広告掲載件数は前年を20%程度上回る水準となっており、企業の高水準な人材募集が続いているため、求人を出しても十分な応募者を集めることができない企業が増加している。

 世界最大級の求人検索サイト「Indeed」は、企業の採用ページや人材紹介・派遣会社のサイト、そして求人媒体サイトに載っている求人情報など、ウェブ上に存在する求人情報をクローリング技術によって集め、求職者に提供している。

 Indeed上で求職者が希望の職種・ 勤務地もしくは職歴にあったキーワードを入力するとマッチした求人が表示され、最適な仕事を見つけることができるという仕組み。特に既存の求人媒体では募集に苦労していた職種や地域における採用で効果を上げている。
 Indeedの検索結果として表示される求人は、企業の採用ページに直接リンクしており、有料のスポンサー広告を利用すれば、関連するキーワードが検索されたときに求職者の目に留まりやすい露出度の高い位置に掲載させることができる。
 スポンサー広告は求職者が広告をクリックしたときのみ料金が発生するクリック課金型で、クリックに対して支払う入札金額が高いほど求人が表示される可能性が高まる。

Indeed「最適な候補者を見つけられるクリック課金型の求人検索エンジンです」 - 人材コンサルティング会社ガイド100選

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高橋 信太郎 代表取締役

バイリンガルのリクルーターが採用担当の役割を担う【RPO】

 採用部門のマンパワーやノウハウ不足を支援するRPO(Recruitment Process Outsourcing、採用代行)サービスを、昨年2月から日本で本格的に開始したのが、総合人材サービス世界2位のランスタッドだ。
 社内で採用担当を増員できない際や、より効率的に採用活動を実施したい場合に同社のリクルーターが採用担当の役割を担う。短期間で特定職種の採用ニーズを達成するなど、企業の実情に合わせて必要なサービス内容を依頼することができる。
 同社のリクルーターはバイリンガルな上、アジアパシフィックにソーシングセンターを有しているためグローバルな募集も可能だ。世界70カ国以上で展開し培ってきたノウハウを活かせる。
 小西智子同社RPO事業部長は「日本でのサービス開始当初は主に外資系企業を対象に取り組んできたが、最近は日系のグローバル企業からの問い合わせが増えている」と話している。
 企業が求める人材を獲得するために、転職市場には出ていない潜在層へのアプローチやテクノロジーの発展により多様化する採用チャネルを活用していく必要性が高まっているため、同社では人材のリサーチ能力を強化し、ダイレクト・ソーシングにも取り組んでいる。

医療機器・製薬業界に対する理解度の深さが強み【人材紹介 医療機器・製薬】

 医療分野は再生医療、医療支援ロボット、新しいデバイスの活用、新製品開発などを強化する企業が多く、即戦力採用のニーズが強まっている。しかし、専門分野のニッチな人材採用は非常に難しい。
 医療機器・製薬分野に特化して10年以上の実績があり、知名度も高いエリメントHRCは、コンサルタントの業界や職種に対する理解度の深さが強みで、求人企業と候補者双方から専門分野に関する深い内容をヒアリングすることができる。
 結果として相性を十分に見極めるマッチングにつながり、大手の人材紹介会社とは違う「人が介在する人材紹介の価値を追求している」(狩野洋輔 同社社長)ことが特徴だ。
 企業では事業計画を推進するためのスピーディーな採用が求められているため、コンサルタントが登録者と事前に面談を行って採用条件に合致する可能性がある候補者を複数集め、求人企業の採用責任者との面談会を実施するサービスも好評だ。
医療機器・製薬業界転職サイト「医療転職ドットコム」

医療機器・製薬業界転職サイト「医療転職ドットコム」

医療・介護の専門職特有のニーズを的確に把握【人材紹介 医療・介護】

 医療・介護分野の人材不足は深刻で、すでに社会問題化している。今後の急速な高齢化によって、クリニックや介護施設、在宅介護に携わる従事者の需要が一層高まってくるが、人材の移動が追い付いていない現状がある。
 この分野に特化することで事業を拡大しているのがエス・エム・エスキャリアだ。看護師や医療・介護の専門職に対し人材紹介や求人広告などの転職支援サービスを提供し、医療・介護事業者と従事者をつなぐ役割として存在感を高めている。
 医療・介護分野の人材サービス需要について、藤見広太同社取締役は「人材採用を成功させるには専門職特有のニーズを的確に把握してマッチングを図る必要があるため、人材紹介の重要性がより高まっている」と話す。
 医療・介護分野で働く人には女性が多く、採用においては働く地域や家庭の事情などの細かなニーズを踏まえる必要ある。そのため、求人事業者の採用条件と求職者一人一人のキャリアの希望をマッチングできる人材紹介サービスが伸びている。

 また、採用した人材の転職先での活躍を促す施策も欠かせない。同社では医療機関特化型ストレスチェック代行や組織診断サービスなども提供している。

飲食業界や求人企業の魅力を伝え、人材流入を促進【人材紹介 飲食】

 飲食業界では新規参入や上場を目指すような成長企業が多く、求人を出しても応募が十分に集まらない深刻な状況で、慢性的な人材不足となっている。

 事業企画、海外展開、新規店舗の立ち上げ等を推進できる即戦力の人材が必要とされており、大手全国チェーンから中小店舗まで事業規模を問わず、人材紹介の求人は増加が続いている。

 こうした業界の人材採用の課題を解決するために、クックビズでは飲食業界特化の人材紹介を行っており、取引先は7000社を超えている。

 同社は飲食関連ウェブサイトの運用を内製化することによって求職者を集めるノウハウを蓄積し、久田雅士人材紹介事業部長は「業界で働くことや求人企業の魅力を積極的に伝えて異業種からの人材流入を促進している」と話す。
 また店舗スタッフへ実践的な教育・研修を提供する人材定着支援「クックビズフードカレッジ」にも力を入れている。
飲食専門求人サイト「cook+biz」

飲食専門求人サイト「cook+biz」

人事コンサルティング会社が人事専門の人材紹介を開始【人材紹介 人事・管理部門】

 事業活動のグローバル化やイノベーションが加速し、さらに働き方改革を推進するため、人事部門責任者や人事スタッフの求人が増加している。こうした人事関連の求人に応えるために人事コンサルティングのアクティブ アンド カンパニーでは、人事・管理部門に特化した人材紹介サービスを開始した。これまで人事分野に特化した人材紹介会社はほとんどなかった。
 同社の小池英夫事業部長は「求人企業の人事課題、求める人物像や組織風土などへの深い理解が、求職者に対するカウンセリングの質を高めている。結果として、応募意欲の高い候補者を紹介することができ、高い書類通過率につながる」と話している。
 同社はグループ各社で、人事制度構築、研修、採用、給与計算等の人事関連の様々な支援を通じて経営者や人事担当者と密なコミュニケーションを図っており、企業の人事課題への理解が深い。
人材紹介サービスの求職者属性(年齢)

人材紹介サービスの求職者属性(年齢)

経営ノウハウや人脈を持つプロフェッショナルを紹介【顧問紹介】

 中途採用の目的の一つは、事業の展開に応じて専門性の高い人材を確保する点にある。しかし、そうした人材の獲得競争は激しく、タイムリーに採用できないことがある。

 IPO準備、新規事業開発、支店・部門の立ち上げ等、成長フェーズにある企業に対するプロフェッショナル人材の紹介サービスが、エッセンス社の「プロパートナーズ」だ。同社は2009年から経験豊富な人材を顧問として紹介するサービスを提供しており、クライアントから評価を得ている。
 元上場企業取締役や海外事業責任者等、高度な経営ノウハウや豊富な人脈をもつ専門家など、800人以上の登録者から紹介が可能だ。月2 回、2時間程度から必要な頻度、期間で依頼することができ、中途採用が難しい分野などにおいて専門的な知見やノウハウを内製化できることがメリットだ。
 「社員がプロフェッショナルと一緒に仕事にすることを通じた社内のリーダー育成にも効果が出ている」(米田瑛紀同社社長) という。
 これまではビジネスの変化が早い IT業界やベンチャー企業での利用が多かったが、社外の人材を招くことによってイノベーションを促進しようという大手企業でもサービスの利用が広がりつつある。

転職市場には現れない人材をリサーチし、探し出す【リテインド・サーチ】

 新規事業の立ち上げなど、経営課題を解決するための人材採用ではリテインド・サーチ、いわゆるヘッドハンティングが注目されている。特にグローバル市場への進出、先端的な技術分野を率いる経営人材やスペシャリストは常に不足している。特に人材不足が顕著なITや建設分野などの採用難易度は高まる一方だ。
 Tycoon Executive Search社は、IT分野のリテインド・サーチからスタートし、建設・不動産や消費財へ と対象を広げている。
 同社が企業から依頼を受ける求人は専門性が高いため、候補者となる人材は転職市場には現れない。人物要件に基づいてコンサルタントとリサーチャーが情報を収集し、候補者を探し出している。求人内容がクラ イアントの経営戦略に直接かかわるだけに、競合他社との契約禁止などの倫理規定を守っている点も同社のサービスが信頼を得ている理由だ。
 建設・不動産分野のコンサルタン トである小澤隆史パートナーは、「こ れまでリテインド・サーチの活用が少なかった建設・不動産業界でも、事業開発やグローバル展開を担えるような幹部採用の難しさに直面して新たな採用手法として検討する企業が出てきている」と話している。難しい採用を成功に導くリテインド・ サーチの価値が高まっている。

応募数や歩留まりを可視化して採用の最適化を図る【採用管理システム】

 雇用形態や採用チャネルの多様化に伴い、企業規模や業態が同じような会社の間でも採用力の差が広がっており、人事担当者の負担を増やす一因となっている。

 HRソリュー ションズ社では採用成果を拡大するための「オムニチャネル採用」のインフラとして支援システム「リクログ」を提供しており、大手企業を中心に700社以上が利用している。

 最近の採用環境について、小松秀幸同社キャリア採用支援部長は「求人広告や付き合いのあるエージェントなど既存の手段だけに頼ってきた企業では、以前に比べて応募が集まらない状況にある」と説明する。

 「リクログ」は有効な母集団形成を行うための採用チャネルの多様化に対応して、求人広告、人材紹介、社員紹介等の多くの経路からの応募情報を一元管理するほか、自社メディアの有効活用により応募増にも寄与する。同時に応募数や歩留まりを常に可視化することによって、採用の最適化を図っている。
リクログの機能(全体イメージ)

リクログの機能(全体イメージ)

スカイプにはない面接専用の機能で採用を効率化【ウェブ面接】

 採用成功ポイントの一つはスピーディーな選考にある。日程調整に時間を費やしてしまい面談機会を失ってしまうこともある。また全国規模の採用を行う企業では、面接会場の確保や出張なども採用部門の大きな負担になる。

 このような面接の非効率性を改善するのが、タレンタ社が提供する「デジタル面接システムHireVue」だ。すでに世界600社以上で導入実績があり、国内では伊藤忠商事、バンダイ、星野リゾートなど、業種を問わず利用されている。

 録画面接機能では、テキスト、動画、静止画像を組み合わせた質問が用意でき、回答は自撮り録画やテキストが選択できる。応募者はいつでもどこでも面接を受けられ、面接官も都合の良い時に録画を見ることができる。上位評価者は評価結果に疑問があれば録画を見直せる。

 ライブ面接機能は、面接官3人まで同時対応している。応募者には見えない裏側で面接官同士のチャットができ、評価を確認しながら面接を進められるなど、スカイプにはない便利な機能が備わっている。

 技術系候補者のプログラミング能力をテストする機能や、現在は英語版のみだが、AI(人工知能)が面接録画から自社にマッチする候補者をランキングする機能もある。

配属前の徹底した教育で、未経験者を早期戦力化【早期戦力化研修】

 人材獲得競争は激しく、即戦力人材の採用コストは上昇している。そのため特に人材不足が深刻な業種では未経験者や第二新卒の採用に取り組む企業が増え、早期戦力化のための教育が必要になってきている。こうした育成型の採用を行う企業の人材育成を支援しているのが、ブルームノーツ社だ。

 同社はデータ管理サービスを提供する上場企業パイプドHDのグループ企業で昨年10月に設立された。鈴木智則同社社長はパイプドHDの社内教育プログラムの担当を経験し、そこで培ったノウハウを体系化して外部の企業へ提供している。

 パイプドHDもまた人材不足による採用コストの上昇やOJTを担当する社員の負担増が問題となった。そこで数年前から人間性重視の未経験者採用に切り替えて応募を集め、入社した人材に徹底した教育を行う
ことで早期戦力化を目指した。配属のための実践的な課題を全てクリアした社員だけを現場に送り出しており、現場からの評価は高い。

 人材育成支援サービスでは、人材育成診断、育成プログラム構築、運用サポートをセットにして、クライアント企業で必要となる業務知識と独自ノウハウを社員が習得できるようにしたオーダーメードプログラムを提供している。
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