採用戦略の成功事例4選【2023年・DX人材採用】

日本における人手不足は深刻で、特に、多くの企業が経営戦略として掲げた「DX推進」を実現させる「DX人材」は、どの企業においても不足し、採用も難しいといいます。

しかし、自社に合った採用戦略をしっかりと立案している企業は、自社のリソースや人材紹介会社などを上手く活用して、DX人材の採用に成功していることも事実です

そこで、本記事では、DX人材およびデジタル人材の採用支援で実績を上げている人材紹介・サービス会社の代表が語る複数の成功事例を紹介します。

採用戦略とは

採用戦略とは、企業が自社の求める優秀な人材を獲得するために立案する戦略のことです。
人材採用は、企業の今後を担う重要な側面を持っています。
そのため、採用戦略は経営戦略の中でも重要な位置づけをされています。

採用戦略を立てる前に気を付けたい点が1つあります。
それは、人材を早く獲得したいあまり、戦略を立てる前に具体的な施策から着手してしまうことです。
場当たりな施策はその場しのぎのアイデアにすぎず、PDCAを回しづらくなってしまいます。
そのため、施策ベースになっていないか適宜確認する必要があるでしょう。

また、自社に合った採用戦略を策定することも重要でしょう。
新卒採用と中途採用でも戦略は大きく変わってくるはずです。
ゴールを見失わないように注意しましょう。

採用戦略の成功事例4選

以下では、DX人材、デジタル人材の採用支援を中心に実績を上げている人材紹介・サービス会社の代表に成功事例を語っていただきました。

DX人材採用の事例1(ウィンスリー)

DXとは、デジタル技術の活用によって製品・サービスやビジネスモデルに変革を起こし、経営改革を実現することです。単にIT導入やデジタル化のことではありません。

DX人材とはDX実現に向けて明確なビジョンを描き、具体的な取り組みを実行できる人材のことを指します。

しかし、上述のように、競争倍率の激しいDX人材を採用することは非常に難しいです。
DX人材をはじめとしたデジタル人材の求人倍率はおよそ10倍と見込まれ、日本全体の最新(2022年10月)の有効求人倍率である1.35倍と比べると、デジタル人材の獲得競争がいかに熾烈か理解いただけるはずです。
(出所:デジタル現場経験者を採用人事にコンバートせよ!~デジタル人材採用のポイント【DX人材の採用実態 連載第2回】

そこで、ヘッドハンティング会社に依頼し、外部から即戦力人材を招聘している大手企業も増えてきています。

以下はDX分野の採用支援で実績を上げているウィンスリーの事例です。

成果報酬100%の破格の採用投資に踏み切る企業も。苛烈な人材獲得競争               ウィンスリー 黒瀬雄一郎 代表取締役 (黒瀬 雄一郎 代表)

求める人材に出会えるのであれば報酬も惜しまないという傾向となっており、たとえば従来人材エージェントが設定する採用における成果報酬は35%ほどでしたが、特に需要の高いデジタル職種、約200ポジションにおいては50~100%を設定する企業も存在します。大手広告代理店のデータマーケティング責任者、大手コンサルティングファームのDX推進ディレクター、大手事業会社のCDOなどがその一例です。

(中略)当社の実感値として、採用目標達成を実現できる採用力を5段階に分類してみました。
数字が高くなるにつれ、採用がうまくできている企業として見てください。

当社が支援している企業ではレベル4、5が多く、離職率の少ない優秀な人材の入社を多数実現できています。このことは「上位企業に優秀な人材が集まり辞めにくい」という状況を表わしています。二極化が進むなか、主要ポジションではプロ人材による業務委託活用も増えていますし、細分化した業務に特化した関わり方を提供できれば遠隔地の優秀な人材など範囲が拡がります。

変わらない人事部では採用できない!DX人材の獲得に成功する採用現場とは【DX人材の採用実態 連載第1回】

【上記引用部分のまとめ】
●DX人材を獲得する企業のエージェント活用法:
特に需要の高いデジタル職種、約200ポジションにおいては人材エージェントが設定する採用の成果報酬を50~100%を設定する企業もある

●採用が上手くできている企業の特徴:
府k数のデジタル採用担当に加えて、RPO、採用への積極投資などを活用し、場合によってはHRBPも導入している。

DX人材採用の事例2(兆)

DX人材採用のもう1つの成功事例として、DX分野の採用支援を得意とする兆(きざし)の事例をご紹介します。

DXのプロジェクトを推進できる人材を外部から招く

兆 近藤 保 代表取締役(近藤 保代表)兆 石部 秀樹 パートナー(石部 秀樹パートナー)

デジタル技術とビジネスモデルが結合することによって、異なる分野からの参入や業界を越えたDX競争は激しさを増している。コロナ禍で対面型ビジネスが困難になる企業も出ており、デジタルを活用した業態への転換は急務の経営課題だ。

DXのプロジェクトを推進できる即戦力人材を外部から招く企業も目立っている。ある大手食品メーカーでは、DX推進室のメンバーを社内公募したもののプロジェクトを実際にどう進めていくか、自社にないリソースをどう得ればよいのかといった壁にぶつかり、外部からDX推進の経験豊富な人材を招いてる。航空会社、半導体製造装置メーカーなども同様に実践力のある人材をヘッドハンティングで採用している。

また、自動車メーカーやメガバンクでは先端分野のベンダーやパートナーとの共同プロジェクトを進める上で、高いレベルの技術を正しく評価できる人材が社内にいないとプロジェクトを主導的にリードできないという理由から、ハイレベルなAIエンジニアやテクノロジーに精通した人材を探し出すためにサーチ会社を利用している。

こうした企業の狙いについてエグゼクティブサーチ会社、兆(きざし)の近藤保代表は「社内の人材だけでは進めることの難しいテーマが増え、DXの遅れに対する経営者の危機感は高まっています。やりたいことは決まっていても実現のノウハウが不足している組織は多く、外部から人材を獲得する企業は増えるでしょう」と解説する。

実際に、同社には日本を代表する企業からDXを推進できる人材のヘッドハンティングの相談が増えているという。

【DXを加速する新人材戦略】不足するDX人材 採用と育成の最前線

【上記引用部分のまとめ】
●DX分野推進の背景:
・コロナ禍で対面型ビジネスが困難になる企業も出現、デジタルを活用した業態への転換は急務

●大手食品メーカー/航空会社/半導体製造装置メーカー:
・DX推進室メンバーを社内公募するも、プロジェクトの実際の進め方や、自社にないリソースの獲得方法といった壁にぶつかり、外部から経験豊富なDX推進人材を招聘
・実践力のある人材をヘッドハンティングで採用

●自動車メーカー/メガバンク:
・先端分野のベンダーやパートナーとの共同プロジェクトを進める上で、ハイレベルなAIエンジニアやテクノロジーに精通した人材を探し出すためにサーチ会社を利用
(※高いレベルの技術を正しく評価できる人材が社内にいないとプロジェクトを主導的にリードできないため)

新卒採用の事例(シンクトワイス)

新卒

従来の新卒採用は、一括採用・年功序列・終身雇用などが特徴的なメンバーシップ型雇用でした。採用枠も総合職採用が中心で、ジョブローテーションをしながら徐々に自身の得意分野を見つけていくといったものでした。

しかし、昨今、新卒採用においても専門性を持ったDX人材の需要は高まっています。
なぜなら、日本全体でDX人材が不足しており、どの企業も即戦力となるDX人材を中途採用したいと考えています。

その結果、ウィンスリーの引用でも示したように、人材エージェントが設定するDX人材採用の成果報酬を50~100%に設定する企業も現れるようになりました。

そこで、大手企業を中心に新卒採用においてもDX専門人材の募集枠を設ける動きが多く見られるようになりました。

以下では、新卒採用におけるDX人材獲得の支援を得意とするシンクトワイスの事例です。

新卒採用でもデジタルが分かる学生の需要増                    シンクトワイス (猪俣 知明 社長)
デジタル事業を強化する大手出版社の採用担当者は、「既存のアナログ事業のイメージで学生に見られているため、応募を待っていてはデジタル人材を採用できない」と、採用ページ経由の応募者の中にターゲットとする学生が少ないと危機感をあらわにする。

なんとしても優秀なDX人材を獲得したい大手企業では、新卒採用でもDX人材に高い初任給を提示している。また、学生の専門性をデジタルに縁遠い人事担当者では判断できないという理由で、面接や採用の責任を事業部門に移す企業も出てきている。

こうした背景をITエンジニア・デジタルマーケターの新卒紹介を行うシンクトワイスの猪俣知明社長は「IT分野のエンジニア採用では、優れた人材を獲得するために総合職採用から専門職採用へ移行していく流れがあると思います。学生もエンジニアとして活躍できる配属にこだわるようになってきました」と話す。

ITエンジニアだけでなく、Webマーケティングなどのデジタルが分かる新卒の採用ニーズが急速に高まっており、同社の新卒紹介サービスを通じて今年(2021年)入社したDX関連の学生は前年比120%となっているという。

エンジニアの新卒採用について猪俣氏は「業務ですぐに力を発揮できるハイレベルな学生を求める企業が増え、採用のハードルは上がっています。採用手法や選考プロセスなどは、即戦力を求める中途採用に近づいていくのではないでしょうか」と予測する。

【DXを加速する新人材戦略】不足するDX人材 採用と育成の最前線

【上記引用部分のまとめ】
●エンジニアの新卒採用:
・優れた人材を獲得するために総合職採用から専門職採用へ移行していく流れ
・学生もエンジニアとして活躍できる配属にこだわるようになってきた
・即戦力になるハイレベルな学生を求める企業が増え、採用のハードルUP
・採用手法や選考プロセスなどが中途採用の手法に近づく

●優秀なDX人材を獲得したい大手企業
・新卒採用でもDX人材に高い初任給を提示

●企業A
・面接や採用の責任を事業部門に移す
(※学生の専門性をデジタルに縁遠い人事担当者では判断できないから)

ポストコンサルの採用事例(コンコードエグゼクティブグループ)

ポストコンサルとは、一般的にコンサルティングファーム出身者のことを指し、コンサルティングファーム以外にもSIerやシンクタンクのコンサルティング部門に従事した経験を持つ人も含みます。

ポストコンサルは、20~30代のうちから経営者視点で問題解決に取り組むため、問題解決能力やロジカルな思考能力を持っています。

そのため、外資系企業やPEファンドだけでなく、資金調達に成功したベンチャー企業、事業承継で悩む中堅オーナー企業、変革を加速させたい日系大企業などからの採用も急増しているといいます。

以下では、ポストコンサルの採用支援で高い実績を誇るコンコードエグゼクティブグループ、渡辺秀和 代表取締役社長CEOに、採用に成功している企業事例を紹介してもらいました。

ビジネスリーダーの採用を成功させるための必要な取り組み                     (渡辺 秀和 代表取締役社長 CEO)

①人材市場でのブランドを構築する
昨今の優秀な人材は、事業の社会的意義や、フェアで活躍しやすい環境を重視する傾向があります。

(中略)このような点を考慮して、伝えるべきメッセージを再構築した後は、自社の魅力を候補者へ知ってもらうためにキャリアセミナーを開催したり、ビジネス誌や人材企業の運営するオウンドメディアへの記事掲載を行ったりすると良いでしょう。

②幹部人材向けの採用プロセスを構築する
一般に新卒採用のプロセスと中途採用のプロセスは異なります。それと同様に、ポストコンサルなどの幹部人材向けの採用プロセスを、若手層の採用とは別に用意することも大切です。

③人材市場の相場に見合った条件を提示する
オファー時に人材市場において競争優位性がある年収水準やタイトル(肩書き)を提示することも必要不可欠です。

(中略)優秀な人材を巡って、コンサルティング会社や外資系事業会社、総合商社、ストックオプションを用意したベンチャー企業、外資投資銀行、PEファンドなどの強力なライバルが業界を跨いでしのぎを削っています。自社都合ではなく、このようなライバル企業を念頭に置いて、人材市場の相場に基づいた条件提示をする必要があるのです。

④力を発揮できるポジションへアサインする
入社後にアサインするポジションには注意が必要です。
(中略)短期間で既存事業の業績を向上させるためには、現場業務に精通していないと困難ですし、部下たちも入社してきたばかりで経験の浅いリーダーにはついていかないでしょう。

優秀な人材を採用できない企業からは、エース社員も流出する【企業の持続的成長を実現する採用革新】

【上記引用部分のまとめ】
●ポストコンサルの採用を成功させるプロセス
①人材市場でのブランドを構築する
②幹部人材向けの採用プロセスを構築する
③人材市場の相場に見合った条件を提示する
④力を発揮できるポジションへアサインする

まとめ

本記事では、「DX人材の獲得」というテーマを中心に、採用戦略の成功事例を紹介してきました。

採用戦略とは、企業が自社の求める優秀な人材を獲得するために立案する戦略のことです。
人材採用は、今後の会社の事業拡大や成長を大きく左右しますのできっちりと立てる必要があります。

人材マーケットの最新動向について詳しく知りたい方は、以下の関連記事も参照ください。

経済再開で採用競争が激化 定着・育成施策がより重要に【主要人材コンサルティング会社アンケート「2023年 人材需要と採用の課題」】

自社の採用戦略を立案する際に、本記事が少しでもお役に立てると幸いです。

PAGE TOP