上場企業の賃上げ率が2%台に回復の見通し

労務行政研究所が上場企業等を対象に実施した「賃上げ等に関するアンケート調査」によると、賃上げ率が2年ぶりに2%台に回復する見通しであることが分かった。

2022年の賃上げ見通しは、全回答者の平均で6277 円・2.00%となった。

2021年の調査では、1.86%と8年ぶりに2%を下回っていた。

賃上げ率の分布を見ると、労使とも「2.0~2.1%」が最も多く(労働側 37.3%、経営側 31.9%)、「1.8~1.9%」が続いている(労働側 12.9%、経営側 22.3%)。

労使別の額・率の平均は、労働側が 6428 円・2.05%、経営側が 6423 円・2.04%となっている。

定昇については、労働側で 89.0%が「実施すべき」、経営側で 87.2%が「実施する予定」と回答した。

ベアについては、労働側では「実施すべき」が70.8%、「実施すべきではない(実施は難しい)」が23.9%となっている。

一方、経営側では「実施しない予定」が 43.6%、「検討中」が36.2%、「実施する予定」は 17.0%となっている。

ベアを「実施する予定」と回答した割合の推移をみると、15年に35.7%と増加。16年以降は20~30%台で推移していたが、20年に16.9%、21年は4.8%に低下した。

21年のベアの実績は、「実施しなかった」が68.1%、「実施した」が26.6%だった。

夏季賞与・一時金の22年の見通しは、労働側では「2021年夏季と同程度」が50.4%、「増加する」が34.1%、「減少する」が15.5%となっている。

一方、経営側では「2021年夏季と同程度」が 57.3%、「増加する」が27.2%、「減少する」が15.5%となっている。

専門家に世間水準の22年の見通しを聞いたところ、「増加する」が59.8%だった。

調査は、労働側は東証第1部、2部上場企業の労働組合委員長等を対象に、経営側は全国証券市場の上場企業と上場企業に匹敵する非上場企業の人事・労務担当部長を対象に実施し、2021年12月3日~2022年1月18日までに労働側209人、経営側94人、専門家103人から回答を得た。

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