製造業の海外生産比率は23.6%、現地法人数はASEAN10の割合が10年連続で拡大

2020年度末の海外現地法人を有する日本企業の製造業の海外生産比率(国内全法人ベース)は23.6%(前年度比0.2ポイント増)だったことが、経済産業省の海外事業活動基本調査で分かった。

業種別に見ると、海外生産比率が最も高かったのは輸送機械で44.4%、次いで、情報通信機械30.3%、はん用機械29.5%などが続いた。

前年度と比較すると、窯業・土石(15.5%)、電気機械(13.3%)などの海外生産比率が低下した。

2020年度末における現地法人数は2万5703社となった。全産業に占める割合は、製造業が43.1%(前年度比0.5%ポイント減)、非製造業が 56.9%(同0.5%ポイント増)。

地域別にみると、欧州で増加、北米、アジアで減少した。アジア(全地域に占める割合67.5%)では、ASEAN10(同28.8%、前年度比0.3%ポイント増)の割合が10年連続で拡大する一方で、中国(同29.1%、同0.6%ポイント減)の割合は縮小した。

現地法人従業者数は563万人(前年度比0.2%減)となった。製造業は419万人(同0.2%減)、非製造業は143万人(同0.2%減)となった。

業種別に見ると、製造業では電気機械(前年度比5.2%減)、輸送機械(同0.1%減)などが減少、情報通信機械(同3.5%増)などが増加した。非製造業では小売業(同7.9%減)、卸売業(1.3%減)が減少、サービス業(6.2%増)が増加した。

地域別にみると、欧州63万人(前年度比2.5%増)、アジア380万人(同0.3%増)が増加し、北米77万人(同2.8%減)が減少した。

2020年度の現地法人の売上高は240.9兆円(前年度比8.4%減)となった。

現地法人の経常利益は9.9兆円で、前年度比8.9%減となった。製造業は4.6兆円(前年度比10.7%減)、非製造業は5.3兆円(同7.2%減)だった。

現地法人の当期純利益は7.0兆円で、前年度比11.7%減となった。

調査は、2021年3月末現在で海外現地法人を有する日本企業(金融業、保険業、不動産業を除く)を対象に実施し、本社企業7281社と現地法人2万5703社の有効回答を得た。

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