コンサルティング分野に特化した人材紹介会社アクシスコンサルティング(東京・千代田、山尾幸弘社長)は、1回当たり5万5000円で企業の経営・事業課題をコンサルタントに相談できるスポットコンサルサービス「コンパスシェア」を7月27日から開始する。
同社は2002年の創業以来、コンサルティング会社の人材採用を支援しているが、働き方の多様化や企業の柔軟な人材活用のニーズに応え、近年はフリーランスのコンサルタントのマッチングなどのスキルシェア事業にも注力している。
「コンパスシェア」は、コンサルティング業界でも副業解禁の動きなどが広がっていることを受けて開始するスキルシェアサービス。コンサルタントに相談したい企業は同社が提供するプラットフォームに相談内容を公開し、コンサルタントのエントリーを受け付ける。エントリーしたコンサルトとはメッセージ機能で相談内容に関する事前のすり合わせができる。企業からのオファーをコンサルタントが受けるとマッチングが成立する。
「コンパスシェア」開始の発表会を都内で開催した同社の山尾社長は「コーポレートスローガンである『あらゆる課題は、人が解決する』の実現を目指す当社は、就職希望者が就職後に発注者として戻ってくる『循環性』、それぞれのコンサルタントと長期的な関係性を築く『継続性』の二つを重視した独自のビジネスモデルを築いています。『コンパスシェア』によって、課題解決につながるコンサルティングがもっと身近になり、多くの企業・組織がハイエンド人材の価値をより効率的に活用・シェアできるようになります」と力を込めた。
「コンサルティングを依頼できるのは大手企業の経営層だけ」「依頼費用が高額」といったイメージを払拭するため、「コンパスシェア」に登録しているコンサルタントへの相談料は1回当たり5万5000円とし、中堅・中小企業や部課長決裁などによる活用などを広げていきたい考えだ。
コンサルタントとのミーティング後には、議事録にコンサルタントの知見も落とし込んだ「ディスカッションペーパー」が納品される。伊藤文隆常務取締役は「ミーティングやインタビューで会話するだけで終わりではなく、ディスカッション内容やコンサルタントからの提案・示唆が可視化されることで、組織内で共有したり、経営幹部の説明に活用できます」と説明した。
7月27日から始まる企業のサービス利用に先駆けてコンサルタントの登録を受け付けているが、登録できる条件をコンサルティングファーム在籍者もしくはコンサルティング業務経験者のみとし、サービス品質を確保する。コンサルティングファーム在籍者の4人に1人が登録するという同社の人材データベースも活かしながら、多様な経営課題に対応できるコンサルタントをマッチングしていく。