労働者が不足していて、かつ、過去1年間に何らかの労働者不足の「対処をした」事業所の割合は63%、今後1年間に「対処をする予定」とする事業所の割合は62%となったことが、厚生労働省の8月の労働経済動向調査で分かった。
労働者不足の対処方法(複数回答)をみると、調査産業計では過去1年間及び今後1年間とも「正社員等採用・正社員以外から正社員への登用の増加」の割合が最も多かった(過去1年間:55%、今後1年間:56%)。
産業別にみると、「卸売業・小売業」、「宿泊業・飲食サービス業」、「生活関連サービス業・娯楽業」では、過去1年間及び今後1年間とも「臨時、パートタイムの増加」の割合が最も多かった。
2021年度新規学卒者の採用枠で正社員の募集を「行った」事業所の割合は、調査産業計で55%となった。
その募集時期は、調査産業計では「春季(3月~5月頃)のみ」とする割合が最も多く38%、次いで「年間を通して随時」が35%、「年複数回(春季と秋季など)」が14%などとなった。
8月1日現在、未充足求人がある事業所は全体の54%。産業別に見ると、「医療・福祉」(70%)、次いで「サービス業(他に分類されないもの)」(62%)、「宿泊業,飲食サービス業」(61%)と3産業で6割を超えた。
正社員等の労働者過不足判断D.I.(「不足(やや不足、おおいに不足)」と回答した事業所の割合から「過剰(やや過剰、おおいに過剰)」と回答した事業所の割合を差し引いた値)は41ポイントとなり、2011年8月調査から45期連続の不足超過となった。
全ての産業で不足超過となっているが、特に「建設業」(58ポイント)、「医療・福祉」(56ポイント)、「運輸業・郵便業」(55ポイント)で人手不足を感じている事業所の割合が多い。
一方、パートタイムの労働者過不足判断D.I.は28ポイントで、2009年11月調査から52期連続の不足超過となった。
特に「宿泊業,飲食サービス業」(57ポイント)、「生活関連サービス業・娯楽業」(52ポイント)、「サービス業(他に分類されないもの)」(39ポイント)で人手不足を感じている事業所の割合が多い。
2022年4~6月に中途採用を実施した事業所は全体の65%となり、前年同期を4ポイント上回った。
産業別に見ると最も多いのは「医療、福祉」(83%)、次いで「サービス業(他に分類されないもの)」(74%)、「宿泊業・飲食サービス業」(70%)が続いた。最も低い「建設業」では48%と、唯一4割台となった。
今後、7~9月では58%の事業所が中途採用を予定している。
調査は、2022年8月1日現在の状況について8月1日~7日に実施し、主要産業の30人規模以上の事業所のうち5780事業所を抽出して、2802事業所から有効回答を得た。