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原田 将嗣 シニアコンサルタント Eachway 代表取締役
変化の激しいVUCA時代と言われる昨今、これまで以上にチームの力を引き出すことが求められています。メンバーが持つ情報や気づきを共有・報告してもらったり、個性や強みを引き出したり出来ているチームが、刻々と変わる状況に素早く対応し、成果を出し続けられるのです。
地位や経験に関わらず、誰もが率直な意見を言い、また素朴な質問ができることを、心理的安全性の高いチームと言います。チームの中の役職の高い人やベテラン社員が話しやすいのは当たり前で、たとえ新入社員でも、先月新たに加わったメンバーでも、率直に意見や疑問を出すことができるか、がポイントです。
全員の視点や考えていることが表明されることで、選択肢やアイデアが広がり、チームが目指す高い目標に近づいていく。チームとして成果を出そうとするときに土壌となるものが「心理的安全性」です。
では心理的安全性をどうやってつくればよいでしょうか。その答えが「まずは職場で使う言葉から変えていくこと」です。ほとんどの場合、日常的に使われている言葉や態度が心理的安全性を下げているからです。
・相談されたら「まずは自分で考えて」と言っている
・注意するときには「こんなこと言いたくないんだけど…」と言う
・頼んでいた仕事が終わっていなかったので「なんでできていないの?」と言った
これらは心理的安全性を下げる言葉たちです。
本書では具体的な場面ごとに、55の心理的安全性をつくる言葉を紹介しています。無意識に使っている言葉が心理的安全性を下げているかもしれません。みなさんのチームで使われている言葉を振り返り、一つひとつの言葉を変えていくことで、チームは心理的安全性の高い、成果の出るチームに変わっていきます。
ただ言葉を変えればチームが変わる、という荒唐無稽なことを言うつもりはありません。「よいチームをつくりたい」その想いがあるからこそ、言葉に命が宿ります。本書がひとつでも多くのチームが、メンバー一人ひとりが自分から動き出す「心理的安全に成果に向かえるチーム」になる一助になれば最上の幸せです。
原田将嗣 著
飛鳥新社
1,500円+税