【モビリティ分野の中途採用】高度人材の獲得には年収体系の見直し、採用決裁スピードの引き上げが必要

Turnpoint Consulting
近藤 真太朗 シニアマーケティングスタッフ

CASEに関わる求人増加に拍車がかかり、各社はエンジニアを中心としたデジタル人材獲得に奮闘しています。

ソフトウエアの開発領域は多岐にわたり、車載制御システムにおけるサイバーセキュリティ、画像認識やレーダーを活用したセンシング技術から通信、AI技術、HMIなどの各技術が車両を通じて連動しており、明確な仕切りがありません。そのため、特定の領域に絞ったスペシャリスト型人材だけでなく、各プロジェクトを繋ぎ、幅広い知見を持つ人材も需要が増しています。

また電動化の促進により、エンジン部品企業の将来性を懸念する人材は、プロジェクトマネジメント経験や車両知見を活かして完成車メーカーやコンサルティング企業で採用される事例も見受けられます。

事務系職は、モビリティサービスやカーシェア、コネクテッドサービスなど新規事業開発を進める企業が増え、インフラ構築やパートナー開拓ができる新規営業、ゼロイチでの企画経験が選考ポイントになってきています。

即戦力経験が必要なIT高度人材は業界の垣根も低くなり、獲得競争は日に日に激しくなっています。そのため、優秀な人材の確保にあたり、在宅勤務や副業可などの柔軟な労働環境整備、結果に応じた給与設定やジョブ型の人事評価制度の構築状況で、企業のオファー承諾率に差が出てきています。

現時点で、自社サービスを持つ事業会社だからこそのやりがいやビジョンを選考を通じて明確に伝えられている企業は、年収では他業界に劣る場合でも、条件に関わらず人材を獲得できているケースも見られます。

しかし電動化など今後必要不可欠な領域では、労働環境整備やビジョン策定だけでは今後苦戦することが考えられ、報酬体系をIT業界と同水準近くに引き上げてでも必要な人材を堅実に獲得しにいく必要があります。

長期的な成長を視野に入れ、高度人材への抜本的な年収体系の見直し、採用の決裁スピードの引き上げを行うことが、CASEにおいて事業基盤となる高度人材の獲得にあたって求められています。

【あわせて読みたい】

転職人気企業ランキングトップは3年連続で「トヨタ自動車」
企業の命運を分けるデジタル人材の採用と育成
サステナブル経営の重要課題を解決に導く人材採用を実現する

PAGE TOP