Nishika
角本 洋介 ビジネスディベロップメントマネージャー
近年、企業が扱うデータ量の爆発的増加に伴い、ディープラーニングやデータ利活用などのキーワードに注目が集まっていますが、その変化の中で最も活躍するとされている職種が「データサイエンティスト」です。
「データサイエンス力、データエンジニアリング力、ビジネス力を基礎として、データからビジネス課題に答えを出すプロフェッショナル」と定義されるデータサイエンティストですが、人材マーケットにおける立ち位置としては強力な売り手市場となっています。特にハイレイヤーの即戦力を見込める人材の採用では、大企業を含め多くの企業が苦戦している状況です。
この傾向は、今後のAI技術の発展やビッグデータの増加が追い風となり悪化の一途を辿る見込みで、経済産業省によるとデータサイエンティストの需給ギャップは2030年にかけて現在の30万人から80万人まで増加する可能性があると予測されています。
そのような状況下で、データサイエンティスト採用を実現させるために有効な手段を2点挙げます。
まずは求人票上で「業務で取り扱うデータの規模・種類・タスク」について明記することです。報酬待遇や企業文化、事業内容などの説明も当然必要ですが、データサイエンティスト特有の基準として「どのようなデータを扱い、スキルアップを目指せるか」という見方をする人材が多いといえます。
トップダウンでデータドリブンな組織文化を形成していくことをPRしていくことも非常に重要です。多くのデータサイエンティストは、組織の上層部によるデータ利活用への深い理解がデータサイエンスチームへの継続的投資に繋がると考えます。データ活用の戦略や取り組みについて積極的にリリースすることをおすすめします。
データサイエンティスト採用は「データ」という特殊な切り口での訴求が有効となりますが、このようなブランディングを通して、組織としてのデータ活用に対する意識を高めていくことで、データサイエンティストの採用力が高まっていくと考えています。
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