パーソルキャリア
山口 義之 doda 副編集長
【PROFILE】2005年、インテリジェンス(現パーソルキャリア)に入社。法人営業として、不動産や建設、教育、金融、さらにはITなど多岐にわたる領域の採用支援のほか、メーカーのソリューション営業にも携わる。2014年に中部支社、2016年に地方拠点(札幌/仙台/広島/福岡)の責任者に着任し、その後首都圏の営業責任者に。2020年1月、パーソルキャリアを退職し、SaaS系スタートアップのCRO、執行役員を歴任。2021年9月、パーソルキャリアに復職。2022年4月よりハイクラス層向け転職支援事業の責任者を務め、2023年4月、doda副編集長に就任。ハイクラス層の転職動向に精通している。
事業企画職のニーズは、コロナ禍を経てより加速度的に高まりを見せています。事業企画は既存事業の成長を支える予実管理や事業管理を軸としていましたが、ここ10年で急速に進んだIT・デジタル化や大手老舗企業の新規事業意欲の高まりなどを受け、経営企画や事業戦略という領域まで広がりを見せ、現在の中心的なニーズは新規事業領域やコロナをきっかけに取り組みが加速したDX領域となっています。
老舗企業の新規事業やオープンイノベーション、M&Aなどのニーズの高まりを受け、新規事業に携わる人材が転職市場に現れ始めています。より安定した経営基盤のもと、大きな変革や事業に挑戦したい経験者の流動性が高まっているからだと捉えています。
これらの領域では相対的に転職経験者も多いため、処遇はもちろんのこと、転職回数に対する判断など柔軟な対応が求められることは間違いありません。
スポットコンサルやCVC、アライアンス先を活用しながらスピーディーに事業開発を進めていくことで、特定テーマにこだわらず汎用性ある企画人材の採用が増えていることも重要な論点です。
ポスト資本主義の議論も活発な昨今ですが、ESGやSDGsなどのテーマにおける経営企画や事業戦略の領域で採用ニーズも急激に伸びています。専門部署の立ち上げなども見られ、今後注目されるニーズの一つでしょう。
この領域は特定金融機関やコンサル出身者などを除けば経験者は非常に少ないため、意欲や一定の知識をベースとしながら、企画系人材としてのビジネススキルなどを踏まえたポテンシャルも加味した採用判断が必須です。
なお、各社の求人概要を見ると、経営企画的業務から事業管理的業務まで幅広い職務要件や仕事内容を記載していることが多く、対象となる転職希望者に正しく応募喚起ができないケースが頻発しています。
社内で取り組むべき事項の優先順位付けや求める人材像をしっかり定めた上で、どのような時間軸でどんなミッションを担ってもらうのかを明確にして募集することが採用成功の重要なカギとなります。
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