EDGE
佐原 資寛 代表取締役 チーフエヴァンジェリスト
【PROFILE】1986年生まれ、京都府宇治市出身、横浜国立大学工学部卒。2008年大学在学中よりHRテクノロジー「エアリー」事業に参画し、各業界のリーディングカンパニーをはじめ、HRテクノロジーを用いたワークエンゲージメント実現、社風改革、新卒採用、新人育成、研修フォロー、離職率改善、ダイバーシティ推進、OB/OGカムバック支援など、HRテクノロジーとコンサルティングを組み合わせた人事課題解決の支援実績は200社を超える。自身が新卒で入社した企業で最年少部長(当時)となり、全員年上部下の環境でマネジメントに苦労した経験から組織開発や評価制度、面談制度に創意工夫を凝らし、組織課題や人事課題解決に再現性のあるアプローチ手法を確立し顧客企業を支援。2017年4月よりEDGEにて代表取締役を務める。HRテクノロジー、組織開発、人財マネジメントに関する講演、取材実績多数。
これまで企業では、自分を押し殺してでも会社の全体最適に合わせるのが当たり前でした。しかし、多様性推進が言われ、Z世代が入社してくる中、個性に合わせたマネジメントが必要不可欠です。
いつまでも旧来型の会社最適、組織最適だけを押し通していると、優秀な社員の離職が相次ぎ、採用もままならず組織が維持できなくなることから、個に向き合うマネジメントスタイルである、1on1マネジメントが注目を集めています。
しかしながら、これまで個と向き合うマネジメントを受けていない管理職にとって、自身も経験していない新しいスタイルを受け入れ、実践することは非常に難易度の高いことです。これまで当たり前だと思っていたこと、自分が上司から受けていたマネジメントが正解ではなくなるのですから、いきなり上手くやれと言われてもそれは無理な話です。
一方、会社は1on1を制度化して実施頻度などを定めて、上手く1on1をやることは管理職の責任だと言わんばかりに、管理職に丸投げしてしまっています。実効性のあるサポートがないために、ただ部下に迎合するだけの1on1や上司の価値観や成功体験を押し付ける1on1が行われてしまっているのです。
そこで本書では、上司と部下は評価者と被評価者であること。知識も経験も上司の方が圧倒的に上であること。こうしたパワーバランスを理解し、部下が本音を言いづらいメカニズムを知った上で、どう向き合うべきなのかを心理学や理論背景を説明しながら実例を交えて解説しています。
適切な1on1を実施すれば、部下や組織のパフォーマンスを最大化させ、成長を加速させることができます。一方でダメな1on1を繰り返すと上司に対する不満が増大し、部下自身が心を閉ざしてしまいます。退職が増加し、マネジメントに対する管理職の苦手意識を増大させてしまう結果となるのです。
本書をお読みいただくと、1on1がいかに重要であるかと、その成功の難しさを理解できると思います。管理職の負担を軽減し、一人ひとりが働くことを通じて輝く社会の実現に向けて、本書が少しでもお役に立てればと考えています。
佐原資寛 著
ビジネス社
1,400円+税