1on1ミーティングは人材育成の手段のひとつであり、取り入れている企業も増え注目を集めています。企業が急速に変化する時代に対応するためには、自分で考えて行動できる社員育成が必要とされています。
この記事では、1on1ミーティングの進め方や成功させるポイントについてご紹介いたします。
1on1ミーティングとは?
1on1ミーティングとは、上司と部下の1対1で行う面談のことです。1回30〜60分ほどの時間を設けて、週に1度や月に1度など定期的に実施されます。
1on1ミーティングの目的
1on1ミーティングは、社員の自己成長やパフォーマンスの向上のために設けられます。
1on1ミーティングでのテーマは、社員が抱えている悩みや、将来的にどのようなキャリアを実現したいかなど、社員の感情や事実を主体として進めていきます。
部下とのコミュニケーションを円滑かつ活性化させ、部下のモチベーションにつなげることや自立した向上心を促す目的で行われます。
1on1ミーティングで期待できる効果
部下とのコミュニケーションを深めることで信頼関係が強まり、仕事上での報告や相談がしやすくなる、部下も意見を出しやすくなるなどのメリットもあり、生産性が向上します。上司がよく見てくれていることを感じると社員の離職率低下にもつながるでしょう。
上司側も自分のマネジメントの課題に気づけ、部下と上司さらには、企業全体の成長にもつながります。
1on1ミーティングの進め方
1on1ミーティングの具体的な進め方についてご紹介します。
【Step1】上司と部下で1on1の目的共有を行う
1on1ミーティングの目的を上司と部下で共有します。評価面談ではなく、部下自身のための面談であり、普段の悩みや不満、キャリアプランなどについて話すことで、部下への理解度を深めることや、部下の自己成長をサポートする目的であることを伝えます。
【Step2】事前にミーティングのテーマを決めて共有する
1on1ミーティングは基本的には、部下が話したい内容を話します。
しかし急に話を振られても特にないとなる可能性があります。事前にテーマを決めて共有しておくとスムーズです。人事部にも共有することでテーマについてアドバイスがもらえるかもしれません。
テーマに対し上司は進行方法をまとめておく
ミーティングでの内容を役立てるためにどのようにまとめるか、時間の計測方法や振り返りの方法など、ミーティングの進行方法をまとめておきましょう。
部下はテーマに関する内容をまとめておく
部下は1on1ミーティングの時間を有効活用できるよう相談内容をまとめておくとスムーズです。
ミーティングのテーマ例を紹介
1on1ミーティングを始めるときには、まずはプライベートな話をしてお互いの理解を深め、業務に関する内容へと切り替えて進めていくと良いでしょう。
【プライベートに関わる話】
趣味について
家族について
休日はどのように過ごしているか
【今の仕事の状況や思い】
抱えている不満や悩み
直面している課題
やりがいやモチベーション
【今後の目標やキャリア】
身につけたいスキル
中長期的なキャリアプラン
【Step3】ミーティングを開始する
まずは、簡単な挨拶やプライベートな話題から入り、前回の振り返りを行います。
次に今回のテーマについて確認を行って部下が話し出すのが一連の大まかな流れになります。 あくまで部下が主役ですので、部下が話しやすいよう上司は質問をして、耳を傾ける姿勢が大切です。
【Step4】上司からフィードバックをする
テーマの内容について部下が話し終えれば、フィードバックを行います。課題に対しての解決策をアドバイスすることや業務の指示ではなく、あくまで課題解決のヒントになる内容を伝えて、部下が自分で考えるきっかけを与えることが大切です。
【Step5】問題解決につながるアクションを決定する
部下が自分で気づいてどのようなアクションをとれば問題解決につながるか考えられるよう、上司は問いかけてみましょう。上司がなにかサポートできることはないか、部下自身は具体的にどのような行動をとるべきか、それはいつ頃までに必要かといった内容をヒアリングします。
【Step6】振り返りで締める
1on1ミーティングの最後にはテーマについて話した内容を振り返ってあげましょう。上司や部下がとるべきアクションについて確認し合い、前向きに望めるような一言で締められると良いでしょう。
1on1ミーティングを成功させるためのポイント
1on1ミーティングを成功させるためのポイントについてご紹介します。
主役は部下であることを意識する
1on1ミーティングの主役は部下です。部下の悩みや課題、考えていることに対しての共感が必要です。
上司が話し過ぎたり否定したりアドバイスしたりすると、部下は萎縮して本心が言い出せず、自分で気づいて考え課題を解決する自立心の向上につながりません。
1on1ミーティングは評価面談ではない
1on1ミーティングは評価面談とは目的が異なります。
評価面談は人事考課の評価を部下に伝えて、振り返りや次回の目標設定などを行う面談です。部下が自分で設定した目標に対しての達成度や課題を振り返り、来期での改善や目標設定に向けて上司がアドバイスをします。
よく混同されますが、目的や期待する効果などが違うため注意しましょう。
部下が話しやすいような環境を整える
1on1ミーティングでは、部下が話しやすいような環境を整えることがポイントです。
部下の話を聞いて上司がアドバイスを押し付けることや、一方的な指示や強制を行うものではなく、あくまで部下がどう思うかを聞き出し考えさせることが大切です。
1on1ミーティングは重要な業務と捉える
1on1ミーティングは業務ではないためないがしろにされがちです。しかし、部下とのコミュニケーションを深めて業務の円滑化を図り、部下の自己成長を促して人材育成にもつながる、会社にとっても重要な業務内容です。
多くの部下を抱えている上司にとって、かなりの時間を費やすことになりますが、定期的に1on1ミーティングを行うことで、自身のマネジメントや、人材育成、組織体制などさまざまな課題の認識につながります。上司自身も成長できる重要な業務です。
まとめ
1on1ミーティングは社員の自己成長やパフォーマンスの向上が目的であり、上司と部下がコミュニケーションを図ることで、さまざまな効果が期待できます。
1on1ミーティングによって自分で考えて行動できる社員を育成していくことで、企業にとってもメリットを得られる取り組みです。