2023年の全国の女性社長は61万2224人(前年比4.8%増)で、初めて60万人を超えたことが東京商工リサーチの集計で明らかとなった。全社長数の14.96%(前年14.70%)を占め、前年から0.26ポイント上昇した。
女性社長数は、調査を開始した2010年(21万2153人)から13年間で約3倍(188.5%増)に増え、緩やかながらも女性の社会進出が前に進んでいる。
都道府県別の女性社長数は、最多は東京都の15万5210人(前年15万1314人)。以下、大阪府5万9655人(同5万5987人)、神奈川県3万9434人(同3万7029人)、愛知県3万1512人(同3万840人)、福岡県2万6597人(同2万5358人)と続き、人口の多い大都市が上位を占めた。
一方、最少は島根県で1697人(同1661人)。次いで、鳥取県2158人(同2067人)の順で、山陰の2県が並んだ。次いで、福井県が2235人(同2138人)だった。
産業別で女性社長が最も多かったのは、「サービス業他」の30万840人。初めて30万人を超え、全体のほぼ半分(49.1%)を占めた。
次いで、不動産業が9万995人(14.8%)で初の9万人台。3位は小売業6万3691人(10.4%)の順だった。
【産業別 女性社長数】
農・林・漁・鉱業 4644人
建設業 3万3573人
製造業 3万7792人
卸売業 3万6077人
小売業 6万3691人
金融・保険業 8942人
不動産業 9万995人
運輸業 8175人
情報通信業 2万7495人
サービス業他 30万840人
全社長数に対する女性社長数の割合を示す「女性社長率」は14.96%で、前年(14.70%)から0.26ポイント上昇した。緩やかではあるが、毎年上昇を続けている。
都道府県別では、飲食業などに女性社長が多い沖縄県が20.58%(前年20.62%)で、唯一20%を超えた。以下、東京都16.98%(同16.76%)、茨城県16.77%(同16.06%)の順だった。
一方、新潟県9.40%(同9.32%)、山形県9.68%(同9.45%)のワースト2県が10%を割り込んだ。
【都道府県別 女性社長率トップ5】
沖縄県 20.58%(前年20.62%)
東京都 16.98%(同16.76%)
茨城県 16.77%(同16.06%)
大阪府 16.59%(同16.16%)
福岡県 16.53%(同16.34%)
産業別の「女性社長率」は、トップは不動産業の24.82%(前年24.48%)。次いで、サービス業他が18.85%(同18.53%)で続く。このほか、小売業15.49 %(同15.51%)、情報通信業13.25%(同12.71%)が続き、7産業で10%を超えた。
一方、女性社長率が一桁台にとどまったのは、建設業5.35%(同5.33%)、農・林・漁・鉱業8.03%(同8.06%)、運輸業9.20%(同9.07%)の3産業だった。
【産業別 女性社長率】
農・林・漁・鉱業 8.03%
建設業 5.35%
製造業 10.31%
卸売業 12.01%
小売業 15.49%
金融・保険業 12.75%
不動産業 24.82%
運輸業 9.20%
情報通信業 13.25%
サービス業他 18.85%
調査は、東京商工リサーチの保有する約400万社の経営者情報(個人企業を含む)から、女性社長(病院、生協などの理事長を含む)を抽出し、分析した。