従業員の退職を理由とする倒産が増加し、4月の「人手不足」による倒産が過去最多となったことが、東京商工リサーチのまとめで分かった。(文:日本人材ニュース編集部)

東京商工リサーチが、2025年4月の全国企業倒産(負債1000万円以上)のうち、「求人難」「人件費高騰」「従業員退職」を要因とする倒産を抽出・分析した結果、「人手不足」が一因となった倒産は、2013年以降で最多の36件(前年比44.0%増)となった。
要因の内訳は、「求人難」が10件、「人件費高騰」が12件、「従業員退職」が14件。「従業員退職」は前年から倍増した。
「人手不足」関連倒産の資本金別では、1千万円未満が23件を占めている。
連合は大手と中小の賃上げ格差を是正するために今春闘では全体の5%以上に1%上乗せして「6%以上」の賃上げ目標を掲げていたが、従業員の採用や退職阻止に必要な賃上げが難しい小・零細企業が追い詰められているようだ。
<人材確保のための賃金を引き上げる企業が増加>
東京商工リサーチは、「賃上げをできない企業ほど人手不足がさらに進む悪循環に陥っており、人手不足を解消できない企業が倒産を押し上げる構図ができつつある」とコメントしている。
2025年4月の「人手不足」関連倒産調査の詳細はこちら
https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1201361_1527.html