マイナビが26年卒大学生を対象に実施した調査によると、企業から指定される面接手法で「AI面接」について77.5%の学生が「受験意欲が下がる」と回答した。学生は自らAIを活用することには積極的である一方で、企業の選考時に自らがAIに評価されることについては後ろ向きな傾向が明らかになった。(文:日本人材ニュース編集部)

調査によると、学生のAI利用経験率は26年卒で82.7%となり、2年前の24年卒と比較して2倍以上に増加。就職活動でのAI利用率も66.6%で、24年卒(18.4%)と比較すると3倍以上の増加となった。「エントリーシート(ES)の推敲」(68.8%)や「自己分析」(38.2%)、「面接対策」(36.6%)など、幅広い場面でAIを活用している。
企業が選考の評価検討にAIを利用することについて「使ってよいと思う」という学生の意見が最も多かったのは「適性検査の評価検討(49.8%)」だった。一方「使ってよいとは思わない」は「面接内容の評価検討(47.5%)」が最多となった。
明確に数値などで結果が出る適性検査ではAIの利用は受け入れられるが、人柄など数値で表すことが難しいものを評価する面接では受け入れられづらい傾向が見られる。
企業の採用活動においてAI活用が増加
- 約1割の企業で新卒採用業務に生成AIを利用、学生の生成AI利用には7割の企業が肯定的(2024年1月の記事)
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企業のAI利用に対する学生の受け止め方
企業のAI利用場面 | 使ってよい | 使ってよいとは思わない |
---|---|---|
適性検査の評価検討 | 49.8% | – |
エントリーシートの評価検討 | 31.0% | 38.2% |
面接内容の評価検討 | 24.2% | 47.5% |
企業から指定される面接手法によって「受験意欲」に影響があるかを聞いたところ、意欲が「下がる」のは「AI面接」が最多で77.5%となった。
対面面接では84.1%、WEB面接では88.2%の学生が「受験意欲が高まる」と回答しているのに対し、AI面接では大きく異なる結果となった。時間や場所を問わず受験できるという利便性よりも、対人かどうかが受験意欲に影響していると考えられる。
一方で、学生が就職活動で生成AIを利用することについて企業の採用担当に聞いたところ、「使い方を慎重に検討したうえで活用してほしいと思う」(52.7%)と「積極的に活用してほしいと思う」(5.0%)を合わせて57.7%となり、半数以上の企業が活用に前向きな回答となった。
面接手法による受験意欲への影響
面接形式 | 受験意欲が高まる | 受験意欲が下がる |
---|---|---|
対面面接 | 84.1% | – |
WEB面接 | 88.2% | – |
動画選考 | – | 72.8% |
AI面接 | – | 77.5% |
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