
キャリアビリティ
雨宮 佑揮 代表取締役
【PROFILE】高校卒業後、米国へ留学し、現地の電子部品総合商社に勤務。帰国後は10年間、海外営業やセールスマネジャーとして欧州やアジア諸国の新規開拓営業を担当。2016年、大手人材紹介会社へ入社し、半導体業界を担当。2年目以降は、常にトップクラスの実績。2020年から製造業部門の組織マネジメントで部門をトップへ牽引。2021年、個人成績で全社トップ賞を受賞。これまでに個人・部門ともにトップ賞を多数受賞する。製造業および半導体業界において常に最高の成果を追求。日本の半導体業界を未来へつなげるために全力を尽くす。
外資系製造業において、2024年から2025年にかけて採用需要が高まっているのは営業・マーケティング分野です。
自動車業界ではCASE領域の拡大を背景に、完成車メーカーや大手サプライヤーを担当できる営業人材の採用が増えています。化学・素材分野では環境対応製品や新素材の市場投入が進み、大手顧客を戦略的に支援できる人材が求められています。
さらに半導体分野では、大手デバイスメーカーの好調を受け、製造装置メーカーや材料・部品サプライヤーでも人材募集が活発化しており、関連領域まで採用ニーズが広がっています。
年収帯は800~1500万円と高水準で推移しています。中心となるのは大手顧客を担当するアカウントマネジャーですが、外資系ならではの役割も目立ちます。新規市場を切り開くビジネスデベロップメント、商社や代理店を管理するチャネルマネジャー、市場戦略をローカライズするマーケティング、営業を技術面で支えるアプリケーションエンジニアなどです。これらはいずれも製品販売にとどまらず、顧客との長期的パートナーシップ構築を担うポジションといえます。
採用で評価されるのは、大手製造業での営業経験と顧客理解に基づいた提案力を持つ人材です。30~50代を中心に、従来の製品営業から「顧客の事業課題解決」へと踏み込むスタイルにシフトする候補者が増えています。外資系経験の有無は問われませんが、グローバル対応力と日本市場理解の両立が重要視され、特定業界での深い顧客経験や業界横断的な視野を持つ人材も高く評価されています。
企業が採用を成功させるためには、まずポジションの期待値を具体的に示すことが欠かせません。「どの顧客を担当し、どんな成果を期待するのか」を明確にすることで、候補者は将来像を描きやすくなります。
次に裁量範囲の明確化。外資系の魅力であるスピード感や意思決定権限がどこまで任されるのかを提示することで、候補者のモチベーションを高められます。また、報酬水準に加えて、事業拡大戦略への関与やグローバルプロジェクトへの参加機会を示すことで、短期的な金銭的条件以上の魅力を伝えることが可能です。
さらに、自動車・化学・半導体といった各業界特有の商習慣や技術的理解をどう評価するかについても、採用プロセス設計に工夫が求められます。
外資系製造業における採用は、単なる人員補充ではなく成長戦略の一部です。大手顧客と戦略的に関係を築ける人材をいかに惹きつけるかが、今後の競争力を左右していくでしょう。