東京都が女性活躍推進イベント開催、小池知事らが女性のキャリアを語る

東京都は8月25日、女性活躍に向けたイベント「Women in Action:Choosing Your Career」を都内で開催し、東京都の小池百合子知事、アサヒグループホールディングスの小路明善会長、コロンビア大学ビジネススクールのシーナ・アイエンガー教授が女性のキャリアや企業の取り組みなどについて語った。

小路明善会長、小池百合子都知事、シーナ・アイエンガー教授(左から)

イベントは会場参加200人に加えオンライン配信も行われ、「一人ひとりが性別にとらわれることなく、自身が希望するキャリアを歩むことができる社会に」をテーマに、誰もが活き活きと暮らし活躍できること、企業における持続的な成長に繋げていくことへの気運醸成を図ることを目的に実施された。

アイエンガー教授の基調講演に続くパネルディスカッションでは、各登壇者が自身のキャリア形成における重要な選択について語った後、性別にとらわれないキャリア選択を実現するために経営者やリーダーが意識すべきことについて議論が展開された。

小池都知事は自身のキャリア形成について、10代の時に父の本棚にあった中東・北アフリカに関する本に触発され、多くの人が選ぶ欧米留学ではなく中東を留学先に選んだ経験を語り、「10代、20代を中東で過ごすことで視野が広がり、大学の授業だけでなく社会を学ぶことができた」とその意義を振り返った。

女性活躍推進について知事は「社会の半分は女性だが、その女性が持てる力が十分活かされる環境があったかというと、まだまだ」と話し、企業が女性を雇用し、女性ならではの価値観や働き方から生じる課題をクリアすることは、実は男性にとっても働きやすい環境につながると指摘した。

東京都では女性活躍推進とダイバーシティ経営に賛同する企業と共同宣言を行っており、情報共有によってエコシステムを構築していることも紹介した。

小路会長は自身のキャリアについて、ビジネス人生で辞めたくなった瞬間が3回あったと振り返り、特に28歳から38歳まで10年間労働組合の専従役員を務めた経験を詳述した。

1980年代のイデオロギー闘争が激しい時代に、工場での賃上げ説明でも政治・思想論争を仕掛けられ、論破されて帰ってくる日々を過ごしたという。この経験から政治、哲学書を読むようになり、若い時代に異文化や異論に触れて学ぶ重要性を強調した。

ジェンダーギャップ解消について小路会長は、環境、制度、意識の3つの面で改革が必要と提言。

環境面では、女性が理工系大学に進学しようとする際に、親が反対する場合が多い現状を指摘し、こうした環境の改革の必要性を述べた。

制度面では機会の平等から結果の平等への視点転換を主張し、女性の産休・育休期間を一部有給化することや、復帰時の手厚い研修制度の導入など、結果の平等をどう制度の中に盛り込むのかということを考えて具体的な制度づくりに取り組む重要性を訴えた。

意識面については「何も男性に勝るように仕事をしようと意識する必要はない。男女の違いがあるので、女性の良さ、自分の良さをしっかり認識して、キャリアプランを作っていくことが大事」と、女性らしさを活かしたキャリア形成について話した。

【関連記事】

PAGE TOP

大手・上場4000社の人事部長へ、パンフ・チラシを郵送したい方はこちら

媒体資料のご請求