ミライフ
佐藤 雄佑 代表取締役
「うちみたいな中小企業にはいい人なんて来てくれないから」「やりたいことはたくさんある。でも任せられる人がいないんだよ」「とはいえ、大手じゃないから高い給料は出せない」
私はリクルートキャリアで自らも人事マネジャーをしてきましたし、若手からエグゼクティブまで幅広く人財コンサルタントとしてクライアントの採用を支援してきました。これらの言葉は、企業の経営者や人事の方々とお話している中で、よく聞く言葉です。
昨今、採用は活況なので、中小・ベンチャーはもちろんのこと、大手企業であっても自社が採用したいようないい人材は、他社も採用したいわけで、し烈な人材獲得競争が繰り広げられています。なので、このような悩みもよくわかります。ただ、それを言ってしまったら、そこで試合終了ですよね。
私は「どうしたらいい人材が採用できるのか」をずっと考えてきましたが、そこで行きついたのが「性格のいい会社」という考え方です。実際、人事・採用の現場に12年以上いて、数千人の転職相談に乗りながら、多くの会社のいいところ、悪いところをリアルに見てきたからこそ、候補者目線の「いい人材が入りたいと思う会社」を言語化できたと思っています。
いい人材の採用は経営課題であり、経営戦略です。人事の役割はいい人材が採用できないのであれば、どうしたら自社にいい人材が来てくれるのか、その理由を本気で作りに行くことが大事だと思っています。
なぜならば、これからのVUCAの時代、必要な経営資源はヒトモノカネ情報ではなく、ヒトヒトヒトヒトになるからです。
だからこそ、「人を起点とした経営」にコミットしなければいけないですし、いい人材を集めるためにできることをやっていく、つまり会社を変革していくことが求められています。これこそ戦略人事です。経営者のコミットがスタート地点であり、そのコミットを引き出すのが、人事のロジック&ストーリー力だと思っています。
佐藤雄佑 著
クロスメディア・パブリッシング、1,480円+税