ヒューマネージ
齋藤 亮三 代表取締役社長
昨年同様、3月採用広報開始、6月選考解禁となった2018年卒の新卒採用は、売り手市場が続く中、昨年の結果を踏まえ企業が動きを早めたことで、予想以上に早期化が進みました。
早期化の傾向は特に大手・人気企業において顕著で、当社調査では、3月10日時点の応募人数は、平均して昨年の総応募人数の7割近くに達していました。
一方、3月中旬以降の応募人数は一貫して昨年を下回っており、学生が早々に志望企業を絞り込み、個社へのアクションへ軸足を移したことが分かります。
短期決戦ともいわれる今年の就職活動においては、学生は新たな企業に目を向けることはなく、知っている企業へ応募する“決め打ち”の傾向が強まったと考えられます。
さらに、今年の特徴として、インターンシップの増加が挙げられます。採用広報解禁「前」の貴重な情報提供の機会として、冬季インターンシップがさらに活用されました。
19年卒の新卒採用のポイントとして、「働き方改革への対応」「接点の多様化」「科学的な採用」が挙げられます。
人事の方々は自社の「働き方改革」を推進する立場ですが、夜遅くメールを送らないなど学生の印象に配慮することはもちろん、いかに効果的・効率的に採用活動を遂行するか、ITと採用に精通したRPO(採用プロセスアウトソーシング)パートナーを戦略的に活用することがポイントとなります。
また、売り手市場を背景に、インターンシップ(19年卒においては“決め打ち”前の学生に出会う手段として夏季インターンシップが増えると予想されます)、ダイレクト・ソーシングなど「接点の多様化」が進んでいますが、大切なのはこれらの接点を手間なく一元管理し、データを正確に残し、活用することです。
その上で、現在、人材採用においてもAIがキーワードとなっていますが、AIは魔法の杖ではなく、データから導かれた科学的な指標に基づく「科学的な採用」を支援するものです。19年卒の新卒採用においては、さまざまな企業がAI活用に取り組み知見をためる一年になると思います。