シーズアンドグロース
河本 英之 代表取締役社長
2016年度採用はインターンシップ初年度と言われるぐらいインターンシップを各社が実施し始めた年でした。17年度採用も引き続き、早期のイベントが増加しました。
学生側も約70%の学生が早期のイベントに参加し、2月末までに業界・志望企業を絞る動きが加速しています。17年度採用で各社が苦労しているのが、3月以降、就職サイト・合同説明会経由でのエントリー学生の減少、質の低下が起きていることです。
つまり、就職サイトや合同説明会では優秀な学生が集まらないのです。多くの学生はインターンシップもしくは人材会社が主催する「企業と学生が接点を持つイベント」に参加しているため、3月以降に企業の選択肢を増やすというアクションを行っていないということです。
この傾向は年々高まっていますが、多くの企業は就職サイトを活用することが固定概念となっており、なかなか変革できずにいます。ただ、先進的な取り組みを行う企業は2月末までが勝負とし、「脱就職サイト・脱合同説明会」の戦略をとっています。
すなわち、これからの採用戦略は「母集団=数を集めることで求める人物像の出現率が高まる」という発想から脱却し、「欲しい人材を的確に集め、志望度を醸成する」という発想が重要になります。
その中で欲しい人材の集め方として注目されている1つ目が「インターンシップのあり方」です。
とりあえずインターンシップを実施するのではなく、企業のどの魅力を訴求するためのコンテンツなのか、欲しい人材から見るとどんな内容が良いのかなど成功するインターンシップ設計のポイントは前よりも複雑になっています。
2つ目は「リファラルリクルーティング」ですが、内定者や既存社員の後輩とのつながりをどう戦略的に使うのかなど巻き込み方・インセンティブ、語り方など精緻な設計が必要です。
自社でターゲットを集め、志望度を高めていく戦略をどう持つかが今後の採用力に大きく関わっていくのです。