人材採用

【エンジニア(製造系)の中途採用】採用競争の激化で年齢や経験業界に捉われない転職事例が増加

テクノプロ・キャリア(現テクノブレーン)
北川 太 代表取締役・キャリアコンサルタント(現、代表取締役社長)

【PROFILE】米英で外国為替ディラーとして勤務後、エグゼクティブ・サーチ会社、フルキャストホールディングス人事担当役員を経て、2014年よりテクノプロ・ホールディングス執行役員。19年2月テクノブレーン代表取締役社長に就任。

求人ニーズが高いのは回路設計、機械設計、組込制御などの開発系エンジニアです。自動車関連、産業用機械、医療機器業界からの引き合いが多く、人材の獲得合戦になっています。

背景には、自動車の自動運転やエコ化、省力化による新規開発案件の増加、あらゆるモノがWebとつながるIoTやIoEの発達もこれらを後押ししています。モノの増産に伴う形で設備投資も増加しており、産業用機械の開発も急ピッチで進んでいます。

また、生産ラインの新設に伴い、品質・生産性向上や自動化を推進するための生産技術、制御設計、品質管理に関わるエンジニアが求められています。

そのような状況において、年齢や経験業界にとらわれない転職のケースが増加しています。他業種であっても、同様の技術・製品を経験したエンジニアであれば、即戦力として採用する企業は増加しており、今後も増加すると見ています。

そうした環境で優秀なエンジニアの採用のカギは「スピード」と言えます。売り手市場においては、優秀な人材はすぐに他社から内定が出て、市場を離れます。よって、応募から内定までのプロセスを圧縮し、求職者に採用意志を早く伝える体制が必要です。

加えて、企業は選考面接により重点をおくべきだと考えます。書面では伝わらない細かい技術へのこだわりや具体的な経験をヒアリングする一方で、企業からも求めるポストの環境(組織・レポートライン、上司・同僚の人柄、キャリアパス)などをより分かりやすく具体的に伝え、双方の適性を見極める必要があります。

企業がエンジニアを判断する一方通行の面接ではなく、エンジニアに興味を持っているという態度と、彼らの技術をどう活用しようとしているかを開示することで、エンジニアから選ばれる企業を目指すべきです。

旧来の選考基準・プロセスでは採用できないと気づいた企業は、積極的な採用手法にチャレンジしています。

自社の選考基準・プロセスを見直し、企業が直接候補者にアプローチするダイレクト・リクルーティングや、転職エージェントの能動的な利用、リクルーティングページの再考など、多様な手段を活用し、本気で採用に力を入れる企業が生き残ります。

採用のフローも、人事担当者が会社説明を兼ねてふるい落とすのではなく、トップ自らが一次面接を行って候補者の入社意志を高めて選考に入るなど、相互理解とスピードアップを達成するためのカスタマイズが必要です。

採用方法に定石はありません。常にマーケットを先取りし、責任を持って採用することが、採用成功につながるのではないでしょうか。

アクセスランキング

DAILY
WEEKLY
MONTHLY

ピックアップ

PAGE TOP