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大島 康治 紹介事業部 マネージャー
ヘルスケア業界の市場規模は、年々右肩上がりの状況なこともあり採用も活発です。特にバイオベンチャーなどではあらゆる職種で人材が不足しています。
一方、食品業界は、原料の高騰や、新興国との食品資源争奪戦の影響から成長率はゆるやかな伸びですが、食品に関する消費者から安全・安心への要求が高まり続けることもあって、品質管理や品質保証に関する職種で積極的な採用意欲を見せています。
人材需要の高いのは、いずれも専門的な知識を必要とする技術営業と、研究開発や品質管理・品質保証のような専門職です。
営業出身の求職者が以前にも増して転職市場に出てきていますが、企業は技術営業、いわゆるセールスエンジニアのようなクライアントと専門的な知識や用語にも柔軟に対応が出来る理系学部出身者の経験者を必要としています。
しかし、元々少数の理系人材の中で、営業職を希望する人材は大変貴重な存在のため、経験者は奪い合いとなっています。
多くの企業で20代の人材を求めていますが、採用が出来ないという状況から、30〜40代も視野に入れて募集を行っており、以前のような「35歳限界説」は崩れつつあります。
しかし、年齢が高い場合、マネジメント経験やより深い専門知識が要求されるため、能力面での採用ハードルは以前と変わらず維持しています。
食品業界は中途採用においては成功している企業が少ないのが現状です。企業が魅力的に感じる優秀な人材は、他社からも高い評価を受けている場合が多く、選考スピードが遅いとその時点で出遅れてしまいます。
また、減点方式で面接の点数をつけるのではなく、候補者のポテンシャルや魅力を引き出す加点方式で面接に望む姿勢が大切だと考えます。そして面接について候補者を選定する場と捉えがちですが、むしろ候補者に企業の良さを伝えられる場と考え、企業のマインドをしっかり発信し、応募者の志願意欲を高める必要があります。
また、募集する人材を求める企業は同業以外に異業種にも存在するという意識をもって、旧体制の採用方法の見直した上で、新たな採用戦略の策定を検討し、実施すべきだと考えます。
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