ビジネスの国際化で需要高まる会計・税務のプロ人材

公認会計士・税理士に特化した人材紹介を手掛けるレックスアドバイザーズ。急速に進展するビジネスの国際化に対し、満足度の高いコンサルティングを提供できるという強みを発揮する。公認会計士・税理士の求人ニーズの状況、同社のコンサルティング内容や今後の事業方針を岡村康男社長に語ってもらった。

レックスアドバイザーズ

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岡村 康男 代表取締役

青山学院大学卒業。上場企業、外資保険営業を経て、2002年、レックスアドバイザーズを設立。日々、会計士・税理士資格者への転職相談と独立会計人ネットワーク・経営者組織に参加し、社会に貢献する会社を目指す。妻・娘3人。

レックスアドバイザーズの特徴・強みについて教えてください。

公認会計士・税理士に特化した人材紹介を手掛けています。年間1000人以上のキャリア・転職相談を行い、一般事業会社、コンサルティング会社、監査法人や税理士法人に会計・税務のプロ人材を紹介しています。現在の取引先は、上場会社をはじめ一般事業会社、コンサルティングファーム、会計事務所で構成されています。実務経験3年以上の即戦力人材の紹介が9割を占めている点が当社の特徴であり強みです。

会計士・税理士に対する最近の求人ニーズに何か特徴はありますか。

一般事業会社からの求人が急増しています。コンプライアンス重視の流れの中で、適正な財務情報の開示のために社内に会計士・税理士の有資格者を配置しようとの意識が高まっています。また、最近は英語力の高い有資格者のニーズが増加しています。

海外進出や海外子会社管理、M&Aのデューデリジェンス、クロスボーダー取引、IFRSなどの国際会計ルールの導入など、ビジネスの国際化に伴う人材力の強化が企業の喫緊の課題となっているためです。当社の登録者のうち、25 ~35歳の有資格者の3割はTOEIC700点以上で、特に女性は4割超となっています。

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企業が会計士・税理士の採用を検討する上で理解すべき点は?

有資格者の採用を考える場合、早く動き出して最適な人材を探し出す機会を増やすことが大切です。なぜなら、有資格者は現職でプロジェクトに加わるとそれを完遂させたいという責任感の強い人が多く、採用が実現するまでに時間が必要になることがあるためです。当社には現職で活躍する人からのキャリア相談が多く、登録後、実際に転職するまで1年以上掛かることもよくあります。

有資格者は、真面目でキャッチアップする能力がとても高いと思います。会計や税務の専門知識を生かして、一般事業会社でも大いに活躍している人がたくさんいます。一方で、若くして資格を取得し監査法人や税理士法人にいる人の中には勉強漬けの日々を過ごし社会性が乏しく、自分が“先生”扱いされることに慣れてしまっている人がいることも事実です。当社のキャリアカウンセリングでは、専門性や経験だけでなく、本人の資質をしっかりと見極めた上で一般事業会社で活躍できる人だけを紹介します。

会計士・税理士の人材紹介に特化した経緯について教えてください。

私は外資系保険会社で、主にオーナー経営者向けの営業をしていました。その業務プロセスの中で、営業先の顧問会計士や税理士と深く接していくうちに、いつしか会計や税務の業界に精通するようになっていました。その後、成長企業のIPOを支援しようと思い、2002年に当社を創業しました。

IPOには会計士・税理士の力が必要で、企業と有資格者をつなぐことは企業経営と会計士・税理士のキャリア構築の両方に貢献できる、深みのあるコンサルティングになるのではと考え、2008年に会計士・税理士に特化した人材紹介を開始しました。会計士・税理士に対象を絞り込んだのですから事業規模を拡大させることは難しくなりましたが、あまたある人材紹介会社の中にあって、特化したこの分野でNO.1の存在になりたいと考えています。

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「深みのあるコンサルティング」ということについて詳しく教えてください。

会計士・税理士と一口に言っても、それぞれの業務には幅も深さもあります。一人ひとりに法人、個人、国際、相続などの得意分野があり、例えば零細企業をクライアントにしている人は上場企業への対応は難しかったりします。 人材紹介のマッチングにおいては、得意分野や実務レベルをコンサルタントがしっかり把握できていなければ、効果的な採用は実現できません。

効率を重視し、有資格者というだけで条件を満たすと判断して安易に紹介するようなことは当社では絶対にありません。専門的な見識をもって、企業と候補者の双方のニーズや特性をしっかり見極められていると自負しています。

また、当社はオフィスを会計士事務所とシェアしたり、会計士・税理士資格の専門学校の先生方と定期的な勉強会や親睦会を開いていますので、業界の最新情報を常時フォローできる状態にあり、専門性をさらに高めるように努めています。これまでは正社員の紹介を中心に取り組んできましたが、今後は有資格者の独立後の働く場の提供というテーマにも取り組んでいこうと考えています。企業が社内に専門人材を採用している一方で、BPOの活用も広がっていて、プロジェクトの業務委託の斡旋などはチャンスがあると思っています。

当社では、会計士・税理士をまとめて「会計人」と呼んでいるのですが、今後は会計人が活躍できる場を開拓し、キャリア構築を支援できるコンサルティングの幅を広げていきたいと考えています。

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