人材採用

優秀な人材獲得で競争力強化【人材紹介サービス活用の最新事情】

企業の競争力を維持するために、人材の確保が不可欠になっている。また、世界的に通用する優秀な人材の獲得は企業業績に直結するようになった。 そうした中、企業の人材戦略をサポートし、採用業務を軽減する人材紹介サービスが脚光を浴び始めた。人材紹介サービスの仕組みと信頼できる人材紹介会社の要件を考察した。

人材の獲得に失敗すると競争力を失う

有効求人倍率は下がりつつあるものの、今年もまた新規学卒者採用は、売り手市場が続く傾向にある。団塊世代の大量退職や少子化が採用難の大きな要因となっているが、産業の拡大に人材供給が追いつかない状態のITやサービス産業では、深刻な人手不足が継続している。

人材を採用できないことから事業拡大を断念し、縮小する企業が昨年は目立った。金融、製造、メディカルなどの分野では、グローバル化がより一層進むと同時にマーケットの拡大が進んだ。

産業全体ではM&Aや事業提携が頻繁に起こり、その結果、世界に通用する技術・能力を持つ人材や折衝力・語学力のある人材の確保が不可欠になっている。人材の獲得は、いまや企業の業績に直結するようになっている。

質的にも量的にも人材確保に失敗すれば、業績が低迷するばかりでなく、企業の競争力そのものが失われ、撤退を余儀なくされる。人材獲得は、企業競争力を維持するための生命線となっているのだ。

そのため企業の人材獲得競争は一層拍車がかかる結果となっている。一方で、採用をサポートする様々なサービスも生まれてきている。これまでキャリア採用の分野では、媒体広告による募集がメジャーな方法であったが、必要とする人材を探し出してくれる人材紹介サービスも注目されるようになっている。

3種類の人材紹介サービスとその仕組み

現在、日本の人材紹介には大きく分けて「登録型」「サーチ(ヘッドハンティング)型」「再就職支援」の3種類のサービス形態がある。

「登録型」は、転職を希望する求職者が事前に人材紹介会社に登録を行い、人材紹介会社はこの中から求人企業の要望に見合った人材を紹介する。

そのため登録型の人材紹介会社は、求職者を集めるために雑誌、新聞、ポータルサイトに募集広告を積極的にうって、候補者を自社への登録に導いている。求職者と求人企業の双方に立ち、仲介することから、「転職エージェント」と自ら称することも多くなっている。

一方、「サーチ型」は、企業側が求める明確なスペックによって、人材をスカウトする。

「株式公開をしたことがある実務経験者で、公開後もCFOとして長期間活躍できる人を探して欲しい」といった、クライアントからの具体的な要請がまず人材会社にくる。契約後、リサーチャーがサーチし、ヘッドハンティングすることになる。

登録型とサーチ型で、獲得できる人材の相違は一般的な傾向として、登録型は管理者以下の若年・ミドル層、サーチ型は経営幹部以上のエグゼクティブ層といわれてきたが、ウェブによる登録方法の多様化や両方式を併用する会社もあり、階層による違いは明確ではなくなってきている。

顕著な違いは、求人企業がその人材獲得をいかに必要としているか、という要請の“度合い” による。料金体系も登録型では成果報酬だが、サーチ型では着手金が必要なリテイナー・フィーの導入が進んできており、求める人材によって使い分けが必要だ。

人材戦略の支援と採用業務の軽減

人材紹介会社の最大の特徴は、スクリーニングとマッチングの2つの機能だ。 この2つをうまく機能させるため、人材紹介会社には候補者の相談に応じたり、クライアント企業の窓口になる人材コンサルタントが在籍している。

人材コンサルタントは、候補者との面談を通して適性を判断し、求人の内容に見合った人物であるかどうか判断し、適性がある人物を企業に紹介していくことになる。

人材紹介会社に依頼したが、「入ってからすぐに辞めてしまった」「定着率が低い」といった失敗のケースは、コンサルティングがうまく機能していない証左だ。

求める人材の表面的なスペックだけではなく、企業の人材戦略やカルチャー、現場の要請など、経営者や採用担当者と人材コンサルタントの綿密な連携が必要だ。

人材採用のパートナーとして深く連携していくことが、人材コンサルタントの大きな役割であり、信頼される人材紹介会社のノウハウといえる。

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