エンワールド・ジャパン
狐崎 壮史 人材紹介事業部 ヴァイスプレジデント/営業統括部長
1~3月期の外資系・グローバル企業の求人数は新型コロナ流行以前と同水準で推移、今年の採用動向は明るい兆しを見せています。昨年採用が凍結・保留となり、今年再開された案件も一定数見られますが、今後新規求人数はさらに増加するでしょう。
当社が1月に行った「外資系・グローバル企業における、2021年の中途採用見通し調査」でも、今年中途採用を行うと回答した企業の3割が「昨年と比べ採用人数を増加する」と回答しました。
コロナ禍においても、医療・製薬、IT・テクノロジー、コンサルティング、EC・デジタルマーケティング領域、各業界の営業職の求人数は堅調です。特に、DXや、サイバーセキュリティ、ハードウエア関連の需要はさらに増加すると見込まれています。
脱炭素化社会への動きも強まっていることから、製造業での人材需要も増加し始めています。グローバル企業では特に、コロナ禍でのコストカットが課題視されていることから、企業内の採用担当を拡充する動きも活発化しています。
昨年から起きている傾向の一つに、企業の厳選採用が挙げられます。限られた予算の中でよりスキル・能力の高い人材を採用しようという動きが加速、企業が優秀な人材を取り合う動きも見られています。
結果として、昨年当社で転職を支援させていただいた方の平均年収は約8%増加、年収2000万円以上の方の転職数は前年比24%増加しました。しかし、全体として、語学に堪能で専門性の高いグローバル人材は希少で、不足している状況に変わりはありません。
以前は、転職の動機は「年収」「 ワークライフバランス」などが中心でしたが、現在は「リモートワークができるかどうか」が重要視されています。優秀な人材を獲得するためには、柔軟な労働環境の提供が欠かせません。
また、オンライン面接の増加やリアルイベントの減少により、候補者が対面で企業から得られる情報は減少しています。企業が継続的に採用を行うためには、SNSなどを通じた情報やメッセージの発信が、より重要になるでしょう。