インテリジェンス・グローバル・サーチ(現BRS)
ナイーム・イクバル マネジング・ダイレクター
【PROFILE】英国出身、1994年に来日。2001年から現在まで、日本の人材業界で19年間の経験と実績を持つ。2012年、インテリジェンス・グローバル・サーチ(現BRS)マネージングディレクターに就任。以降、バイリンガル・マルチリンガルの人材コンサルティングを牽引し続けている。
特に製造業は国内のマーケットが硬直しつつあるため、海外に新たな市場を求めて進出する企業が多く見られています。現地企業とのM&Aを通じて拠点と労働力を調達するケースが多く、その現地をマネジメントすることのできる人材のニーズが高まっています。
最近では駐在をせずに遠隔で複数の国にまたがるマネジメントが要求される傾向にあり、マルチリンガルの方に非常に高い需要が集まっています。
外資系企業は、プロダクトライフサイクルの短縮に伴い、自前主義の維持が難しくなった日本のサプライチェーンにビジネスチャンスを見出しています。日本市場の特徴を踏まえた戦略の立案と、それを本国に伝達・調整していく役割に需要が集中しており、こちらも多様な言語能力が要求されます。
外資を志向する候補者は、一定の期間で仕事を変更される方がいらっしゃるため、流動性は常にあります。その中で多いのは、日本企業に勤めたものの、自身のやりたいことを実現するにはどうしても年月が掛かってしまうことを知って、新しいフィールドを探す方です。自身のイメージするキャリアステップを築く上で時間軸を大事にされており、優秀な若手層や外国籍の方にその傾向が多く見られます。
優秀なバイリンガル人材は完全なる売り手市場で、しばらくその傾向は続くと予想しています。企業が採用を成功させるためには、海外の厳しい競争社会で戦った経験をお持ちの優秀な人材ほどキャリアは自分で築くものと考えており、転職を通じたステップアップを重ねることを理解する必要があります。
そのため、経験面での要件を満たしている場合は書類選考では転職回数を気にせず、まずお会いいただくことをお勧めします。
外資系企業に多いのが情報開示が少なく転職希望者が意志決定できないケースです。世界有数の企業も国内での認知が必ずしも高いというわけではありません。情報不足による不安から、競合他社に入社をしてしまうことも起きています。