HRインスティテュート
三坂 健 代表取締役社長
組織と個人を取り巻く環境が大きく変化する中で、個人の働き方はこれまでの枠を超え、より自由度が高く、個人に寄り添った仕組みに変化を遂げていきます。このような中、企業経営においてより一層、重要になるのが「人材をマネジメントする力」の向上です。
いわゆる“人材マネジメント”はこれまでの「ヒューマンリソース」という人を資源とした捉え方に加え、「ヒューマンリレーションシップ」(=人との関係性)を重視したマネジメントにシフトすることが求められます。
この背景にあるのは価値観の変化です。価値観の変化は行動の変化に繋がり、例えば、次のような「これまでの働き方の枠」を超えて、より自由度の高い働き方に変化していきます。
◆ 企業に就職せずフリーランスとして働く
◆ 複数の企業や業務に跨って仕事をする
◆ オフィスではなく自宅やどこか別の場所で勤務する(テレワーク)
このように多様化していく社員や仲間を束ねていくためには「関係性」を重視し、育むスタンスをマネジャーや会社の人事部が持っていなければなりません。
ハーバード大学のリンダ・ヒル教授が提唱する「羊飼い型のリーダーシップ」に代表されるように、これまで、当たり前とされてきたヒエラルキーを重視した「管理的な」マネジメントではなく、社員や外部人材の長所を生かす「委任的・編集的な」マネジメントがこれからの経営者、マネジャーに求められます。
こうした人材マネジメントは下記のような価値を企業にもたらします。
◆付加価値重視
◆顧客重視
◆創造的なイノベーション
◆多様化
◆フラットで双方向のマネジメント
◆仮説検証重視
本書ではこうしたコンセプトを軸に、環境変化についてさらに詳しく述べ、実際にマネジャーが現場で実践すべきことを解説しています。
HRインスティテュート 著
日本実業出版社、2,000円+税
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