キャリア・デベロプメント・アソシエイツ
田辺 晃 代表取締役社長
【PROFILE】慶応義塾大学工学部卒業後、ドイツへ留学。ソニーに入社した後、ドイツ工場で技術責任者等を歴任し、グループの人材紹介事業に従事。05年、事業休止に伴い独立。キャリア・デベロプメント・アソシエイツを設立し、代表取締役社長に就任。技術士、ソニー技術士会会長、ドイツバーテンビュルテンベルグ会会長等を歴任。
半導体業界では外資企業の誘致などが話題になっています。この動きによって出てくる求人も期待できますが、現時点でも歩留まり向上のための加工技術、次世代技術開発などでニーズは高く、プロセス開発や材料関連ではミドル以上の専門家も求められています。
また、EV車載の開発、DXやAI関連では継続したニーズがあり、CO2削減の動きを見越した設備関連技術者、新エネルギー関連のニーズも出てきています。
残念なことにコロナを機にリストラを行っている企業はありますが、必要なポジションでも早期退職者が出ているケースがあるため、落ち着いた後に補充として即戦力の求人が出てくるのではないかと考えられます。
コロナで求人が減ったこともあり、全体的には求職者は応募活動を慎重にしていましたが、在宅勤務で情報収集を行っている求職者は多く、特にDXやAI関連では積極採用している企業が多かったため、より良い条件を求めて活動し、採用されています。
また、早期退職募集が見込まれる企業に勤めている求職者は積極的に動いており、詳細設計に携わっている人材は採用され易い状況です。大手や中小企業問わず、求めるスキル水準があまり変わらないため、限定された人材にオファーが重なり、採用機会を逃している企業が多く見られます。
採用を成功させるポイントとしては大きく分けると2つあります。
一つ目は自社の魅力を候補者に伝わるようにすることです。複数求人の一つとして並べられて、充分に魅力が伝わっていないと、求めたい人材から入社希望を受けられる可能性は低くなります。
エージェントと事前の打ち合わせで候補者が何に心を動かされるのか、自社の魅力や将来性で合致している内容があるのかをしっかりと掴むように協力することで採用結果が大きく変わる傾向です。
二つ目はターゲット候補者を広げることです。同一業務を行っていた即戦力を採用できているのであれば問題無いですが、候補者は限定されるため、求人が増えるに従って採用は難しくなり続けます。
このため、経験詳細から技術親和性などを理解できている採用担当、もしくはエージェントの目利きによって採用の成功確率や、現場で選考に関わる方の負担も大きく変わります。
また、年齢制限を入れていた企業であれば、候補者の柔軟な適応力や行動力を選考の中で見て、積極的に緩和していくことも今後は必須となるため、この目利きも求められてきます。