仕事による強いストレスなどが原因で発病した精神障害の2021年度労災請求件数が2346件に上ったことが、厚生労働省がまとめた「過労死等の労災補償状況」で分かった。前年度と比べると295件の増加だった。
支給決定件数は629件で前年度比21件の増加となり、うち未遂を含む自殺の件数は前年度比2件減となる79件だった。
業種別請求件数は、「医療・福祉」577件、「製造業」352件、「卸売業・小売業」304件の順で多く、支給決定件数は「医療・福祉」142件、「製造業」106件、「卸売業・小売業」76件の順で多かった。
職種別請求件数は、「専門的・技術的職業従事者」599件、「事務従事者」512件、「サービス職業従事者」353件の順で多く、支給決定件数は「専門的・技術的職業従事者」145件、「事務従事者」106件、「サービス職業従事者」105件となった。
年齢別では、請求件数は「19歳以下」22件、「20~29歳」495件、「30~39歳」556件、「40~49歳」703件、「50~59歳」471件、「60歳以上」99件。
支給決定件数は「19歳以下」6件、「20~29歳」153件、「30~39歳」145件、「40~49歳」200件、「50~59歳」100件、「60歳以上」25件となっている。
時間外労働時間別(1カ月平均)に支給決定件数を見ると、「20時間未満」が73件で最も多く、次いで「80時間以上~100時間未満」が44件、「100時間以上~120時間未満」が41件だった。
具体的な出来事別に支給決定件数をみると、「上司等から、身体的攻撃、精神的攻撃等のパワーハラスメントを受けた」が最も多く125件、次いで「仕事内容・仕事量の(大きな)変化を生じさせる出来事があった」が71件、「悲惨な事故や災害の体験、目撃をした」が66件の順に多かった。
脳・心臓疾患に関する事案の請求件数は753件(前年度比31件減)、支給決定件数は172件(同22件減)となった。