ウォンテッドリー
人事責任者 大谷 昌継
米国などの株式市場の低迷から世界で時価総額の高い未上場会社の企業の評価額が急落し、1年前とはマーケットが大きく変わってきています。しかし、すべてのベンチャー企業が採用を縮小しているわけではなく、株価急落前に調達した企業などを中心に採用意欲は旺盛です。
ベンチャー企業が中心のWantedlyにおける求人募集数も増加トレンドにあり、22年9月では昨年同月比で約1.2倍となっています。
特に専門人材(エンジニア・デザイナー・マーケター・経理など)のニーズは高く、各社取り合いになっています。Wantedlyではエンジニア応募者1人に対して企業の求人が10倍以上で、企業のエンジニアなど専門人材への需要に対して十分な人数がいないことが起きています。
これらの人たちは転職活動を始めるとすぐに決まってしまうため、転職を考えていない時期からカジュアル面談などで転職先候補としての認知を得る活動をする必要があります。
ITと既存産業をかけ合わせたベンチャーも増えてきているので、金融・医療・ものづくり・建設などの専門知識を持った方の転職も増えてます。育成ができる組織は多くないので即戦力が求められるものの、即戦力人材は各社取り合いになっていて採用人数を充足しないので経験が浅いポテンシャル採用も増えてます。
採用のポイントは、会社自体の魅力向上、情報発信、長期的な関係構築です。専門人材採用が上手く行っている会社は、採用の手法やチャネルを工夫しているだけではなく、条件面や働き方(フレックス・リモートワーク導入)などを積極的に見直して会社自体の魅力を上げています。
また、企業理念やカルチャーを広く公開することにより、その企業が作りたい世界の実現に共感をしてもらうことや、自分が入社してからの働き方やキャリアのイメージを持てるようにしています。そして、候補者の方から現時点で断られても長期的に関係を作り、次に転職を考える際に声をかけることは大事になっています。